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『ブラックサイト』 [映画]

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パークスシネマで観て来ました。

ダイアン・レインが、夫を亡くしたFBI捜査官(ネット監視)の役をしていました。
強くてタフな一児の母役で、彼女の母親と同居している設定です。
子ども(娘)がいるので、夜の勤務をしています。
夜、母親に子どもを任せてネットの監視の仕事をしているという設定です。
夫を亡くしたことから、親しい人が亡くなることには耐えられないという弱さも見せます。
同僚のグリフォン(コリン・ハンクス)とは、ツーカーの仲。相棒です。母娘ともども親しい間柄です。
地元の刑事、エリックとも(男女を越えた戦友のような)間柄のようです。
天才的なハッカー役、ジョセフ・クロスが良い味を出してました。
ティム・ロビンスに似た感じの存在感のある演技で、今後も楽しみな俳優さんだと思いました。(イチオシです!)

「killwithme.com」 というサイトが映画上で問題になるサイトです。
「一緒に殺す?」

エンターキーを押すと、(まさしく、殺しが進行中の)画像が現われます。
それが、現場のライブ動画なのです。アクセス数がリアルタイムで表示されています。
アクセスすることで、殺しが進行するという設定。
アクセスを止める手段は… とても難しい。無いに近いのです。
サイトをアップしているIPアドレス(パソコンの特定)を突き止めても、
コピーされ増殖する仕組みになっていて、サイトの閉鎖も困難なのです。
サーバーは、ロシアの管轄でFBIの管轄外。とっても複雑みたいです。
ハッカーを上回る処理能力があるスーパーコンピューターの使用は、国の機密の関係で許可がおりない。
まさに八方塞がり。ジリジリと時間が過ぎ、サイトへのアクセス数は増加していきます。
打つ手の無さに対する苛立ちが画面いっぱいに映し出されます。

犯人は、マスコミやネットの、
「好奇心を満足させるという善意(?)の裏側の悪意」 を巧みに利用しているのです。
マスコミは、視聴率を基準に動いて(制作し)、
ネットは、アクセス数を基準に動いて(更新して)います。
「倫理観」 や、「自制心」 が機能しているとは言い難い現実世界とオーバーラップしています。

人を傷つけることも、中傷することも、貶めることも… 匿名性は、罪の意識を希薄にします。
ショーやゲームのように見せること(!)が需要と供給の関係で成り立ってしまうのが恐いです。
被害者という少数は無視され、大衆という多数による横暴がまかり通ることが恐いです。。
自分自身に降りかかるまで、その恐怖や危機感を抱きにくいことも恐いことです。

はたして、傷つけられた人(被害者)の名誉(心)は、どうやって癒すのでしょうか。
傷つける立場に逆転することで癒されるのでしょうか?

… というのが、この映画のテーマになります。

以前、ネットでイジメの写真を載せたことで、(イジメを受けていた人を)自殺に追い込んだことがありました。
それは、直接の殺人でなくても、間接的な殺人に近い気がします。
(未必の故意とでもいうのかもしれません)
サイトを見て何もしなかった不特定多数の人も加担したことになるのかもしれません。
オフザケとイジメの境界は、被害者以外には分からない(分かりにくい・分かろうとしない?)です。

ドラマ 『ライフ』 でもテーマになっていましたが、
自らの心と向き合い、自分の弱さを受け入れる強さを持たねば、
イジメの構図(被害者を見つけだす)から抜け出すことは困難だと思います。
ストレス社会といわれる現代。
豊かになった分、ストレスも複雑になり、その解消が難しくなっている気がします。

とっても重い課題を観る者に提示する映画だと思います。


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