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『スターシップ・トゥルーパーズ3』 (ST3) [映画]

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R-15指定です。[パンチ]
(結構、エグイシーンあります[たらーっ(汗)]

軍事政府、「地球連邦」によって支配されている物語の世界。
それは、ファシズムを彷彿とさせる世界です。
人類の敵、バグズ(怪物のような進化した虫)との戦いに明け暮れる世界でもあります。

『スターシップ・トゥルーパーズ』 の世界では、
兵役の義務を果たし、選挙権を得た ”市民” と、
兵役の義務を果たさず、選挙権も無い ”一般民” に2分されていましたが、
ST3では、農民と呼ばれる人々も出て来てます。
農民は、日々の生活を第一に考える人々で、戦争のせいで農地が破壊されたと考えているため、
戦争に対して否定的で、軍人や政府に対して、懐疑的な(反発する)人もいるようでした。
あと、平和を唱える平和主義のリーダーが、車椅子の退役軍人であったり、
戦争に嫌気がさして、神(宗教)に救いを求めようとする人々が描かれます。

軍の中の権力闘争や駆け引きがどんどん展開されていくので、観ている側の 「正義」 観も変化していきます。
軍隊、戦争、平和、愛、嫉妬、兵役、宗教、自己犠牲、恐怖、マインドコントロール、カリスマ…
現実世界で、過去から延々と連なるコトを強烈な皮肉を交えて映像化しています。

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随分と前に原作が書かれたようですが、娯楽作品でありながら、
社会問題を揶揄することで、人々に問題提起しているようにも思える映画でした。[あせあせ(飛び散る汗)]

原作は読んでいませんが、
ロバート・A・ハインライン(1907年7月7日 - 1988年5月8日)の書いた
『宇宙の戦士』 (1959)  ヒューゴー賞受賞  が基になっているようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBA%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

科学小説としてのSFを書いていたが、次第に社会性が強くなり、『宇宙の戦士』では軍国主義を賛美する兵士の描写があったことから右翼と呼ばれ、一方の社会主義者の名残が表れている『月は無慈悲な夜の女王』では左翼と呼ばれるなど多彩な顔を持った。中でも宗教を扱った『異星の客』の反響は大きく、ヒッピーの経典と崇められ、ファンが分かれたという。
(ウィキペディアより)

パンフによると、
エド・ニューマイヤー(監督・脚本)は、13歳のときに、初めて、『宇宙の戦士』 を読み、その世界観にとりつかれたとか。
随分しっかりした(?)少年だと思います。
その彼が熟年になり(いくつだ?)、ブラックユーモアが溢れる作品を作り上げたことは意味深です。
高度の知能を持つバグズとの戦いに終わりが有るのか…
何が優先されるべきなのか…
なんだか、この作品が投げかけるものは、難しいです。





以下、ネタバレあり。注意!





「死に日和」 とか、「首吊り」 とか、反逆罪だとか…
軍事政府そのものの世界。恐怖が支配する世界。
バグズという敵に対して、世界が一つになり応戦しているという世界なのですが、
なんともはや、ファシズム全開です。
バグズ打倒のためには、全てが(個人の命なんて)犠牲になってしかりのような…
映画で描かれる人の命のなんて、凄く軽いです。
大義(バグズをやっつける)前には、命なんて投げ出して当然的な扱いで、
バグズとの戦争のために志願兵を募るCMも、なかなかにブラックが効いています。
一体、バグズとは何なんでしょうか。
この映画では、あくまで進化した怪物虫軍団なのですが、
バグズとは、脅威であり、大切なモノ(命や財産)を危うくする存在の象徴(総称?)だと思いました。

バグズ打倒という共通の目的のためには、地球だって一つの政府になりえるのです。
ですが、そこは、人間様のやることですから、権力を傘に、気に入らない存在は反逆罪と決め付けちゃいます。
(どんなに理不尽でも)命令に従わないと、公開絞首刑という見せしめが待っているわけです。
戦時中というストレスの多い社会でのガス抜きとして(?)、見せしめとして、公開絞首刑がテレビで放映されています。
それを、ヤンヤと受け入れて、楽しむ(?)民衆。(明日は、我が身なのですが…)
罪人が、かつてのヒーローであっても、なんら配慮されることはありません。
そこには、厳密なルールがあるからです。
そこには、(ルールを守る者の)権利と(ルールを守るという)義務の関係があるだけです。
物語の中の社会は、危機感溢れる(切羽詰った)社会だという設定です。

死刑で死んだはずの主人公リコがパワードスーツを着用し、遭難者を助け出し星を破壊する。
パワードスーツの着用さえも、志願兵募集の宣伝となる世界。
おいおい、死んだはずだよ、ジョニー・リコ♪
と、思わず、ツッコミを入れたくなるのですが… ヤボなんで止めときましょう。
欠点がある人間だから… 宗教を信じるとか。
宗教よりもヤバイのは、平和(運動)思想だとか。

平和ボケと言われる(?)日本人には、耳が痛くなるような…
とってもブラックが効いた映画だと思いました。

頭も足も… 人間の色んな部位がチョン切られ、破壊され、飛び交い…
首吊り処刑や串刺しや脳みそ爆発映像も満載で、
そりゃあ、R-15指定も納得です。
過激映像も、過激メッセージも満載の映画なんですが…

この映画の面白さ。
どんだけ~!?
日本人に理解出来るのか… 
残念な気もします。[あせあせ(飛び散る汗)]



追記。
バグズが敵国になっただけで、現実の人間社会と何も違いはありません。
敵意も敵国も… 結局は、自分の不都合なモノを敵とみなす概念はなくならないのですから、
戦争は永遠に終わらないし、国家による国民支配もなくならないでしょうね。
(当たり前なのですが)
ならば、いかに、うまく機能した社会をつくるか。それにかかっているのかも。
組織が大きくなれば腐敗も進むとか。
結局は、人間のあくなき欲望が問題なのかも。
(偉そうに言えない体たらくな私です)

さて、パンドラの箱に残されていたのは、希望なのか絶望なのか… 
私は、希望だと思いたいです![ぴかぴか(新しい)]







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