『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 [映画]
上映時間、167分。パンフレット、900円
約3時間の映画です。寝てしまうかと思ってましたが、寝る暇は無かったです。
飽きさせない話の作りと展開によって、長さを感じさせない充実した映画でした。
悪人の出てこない映画です。
悲劇さえも喜劇に転換させて魅せる度量を持つ映画。私は、そんな映画が大好きです。
(例えば、『ホテル・ニューハンプシャー』 とか…)
人が生まれて死ぬまでを丁寧に愛おしく描く映画でした。
人間を愛してやまない人々が作った映画なのだと思いました。
世界中、色々な所に、色々な人が色々な状況で暮らしていて、
出会いが有れば別れもあり、ケンカも有れば、助け合うこともある。
生を受けたという奇跡と、抗っても避けようのない死の定め。
人の死について、粛々と受け入れるという(宗教的な?)メッセージが込められているのかも知れません。
「人生は素晴らしい」
そうは思えないときも有るかも知れません。
「永遠」 や 「完璧」 は、人生の中の切り抜きに過ぎないかもしれません。
けれど、そこに生きたという証を残すことが出来て…
挑戦する気持ちや愛する気持ちを失わずにいられたら…
たとえ、大切な人や出来事を忘れてしまうようなことが有っても…
人生は素晴らしいと思う気持ちは、なくならないのかも知れません。
そんな風に思えた映画でした。
さて、出演者では、
特に、ケイト・ブランシェットが素晴らしいです。
あるときは激しく、あるときは愛らしく、あるときは冷たく…
熱い心と冷静な心を共存させて、見事なまでに演じていました。
特に、ダンスのシーンは、素晴らしく美しいです。(溜息)
息を呑むとは、こういう場面を言うのだと、私は思いました。
ラインの美しさ。それはもう、それはもう、素晴らしかったです。
以下、ネタバレ 有ります。観ていない方はご注意願います!
ワーナーブラザーズの映画のロゴがボタンで出来ているという遊び心も面白い映画です。
一瞬、ロゴが変ったのかと思いました。
老人の体で生まれた赤ちゃんが、年を経るごとに若返っていく話です。
母親が自分の命と引き換えにして生まれた赤ちゃんなのに、
父親によって、その容姿と妻を失った怒りに任せて捨てられた赤子(ベンジャミン)。
ベンジャミンが出会った人々を通じて、人の出会いと別れを丁寧に愛おしく描いている映画です。
ベンジャミンは、人と出会い、人から学ぶことで成長していきます。
外見の年齢がハンデになることが有るとしても、そんなことはベンジャミンにとっては小さなことのようです。
それは、「人生は、素晴らしい」 そう考えているからかも知れません。
生への感謝、回りによって生かされている自分。
感謝の気持ちを持ち続けられる環境が幸いしたのかも知れません。
そして、人も、ベンジャミンと出会うことで、「人生は素晴らしい」 そう思い出すようです。
この映画をご覧になった方が、
「人生は素晴らしい」 と思えれば…
この映画を作った人々の思うツボ(最上の喜び?)なのだと思いました。
雷に7回打たれた男の回想シーンは、笑えました!!
最後の父親の笑顔。映画のシメに相応しい素晴らしいシーンです。
とても良い映画でした。
オマケの写真
最良の日々…
看取るとは…
3時間ですか・・・
でも見たいな。
DVDになってからかなぁ
by ボブ (2009-02-08 09:00)
ボブさん、ナイスとコメントをありがとうございます。
そうですね。長さを感じませんが、約3時間です。
椅子の良い映画館で、じっくり観賞も良いですが、
DVDで、じっくり観るのも良いと思います。
ジョン・アーヴィングが原作?
と思うような映画でした。
ちなみに原作は、F・スコット・フィッツジェラルドらしいです。
もちろん、読んだこと無いです。(汗)
by 元気 (2009-02-08 11:04)