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『白洲次郎』 NHKドラマスペシャル [テレビ]

『白洲次郎』 NHKドラマスペシャル
http://www.nhk.or.jp/drama/shirasujirou/index.html
jiro.JPG

第1回放送が2月28日。第2回放送が昨日、3月7日でした。
最終回である第3回は、キャストの病気による収録の遅れのため8月の放送になるそうです。
昨日の放送だけ拝見しました。
岸部一徳さんの近衞文麿。素晴らしいです!
伊勢谷さんの白洲次郎は、カッコイイですぅ!!
中谷美紀さんの正子も熱演です。綺麗です!!![黒ハート]
夫婦喧嘩というか、感情が高まって来ると英語で会話するところが、なんともスゴイ。(字幕)
夫婦の間にトリキメが有ったのかも知れません。
回りに聞かれたくない場合、便利ですものね。

第1回目の放送を見逃したので、第2回目は絶対に見るぞと意気込んで観ました。(笑)
夫は、別チャンネルのWBCを観てました。番組が終わってから、夫と少しだけ話しました。
(注:夫は、関東人ですので標準語。私は、コッテコテの関西弁です)

私 「ねぇ、白洲次郎って知ってる?」
夫 「知らない。誰?」
私 「なんか、戦争中とか戦後に活躍したらしいやん。カッコ良かったらしいで。有名人やろ?」
夫 「だから、有名人じゃないと思うよ。知らないから。で、何をした人なの?」
私 「英語が堪能やから通訳をして、日本の国益を守るための主張をしたとか… そんな感じ」
夫 「それで、通訳した人が有名人になったの? どうして?」
私 「だから、なんか、GHQとかに対しても物怖じしなかったとかって…」
夫 「ふうん。それで有名人になれるって、分からない」
(おしまい。本当に少しだけでしょ。興味ないことに対してはこの程度です)

実は、本当は、私だって、よく分かっていないのです。(分からないから観た)
でも、最近よく取り上げられている気がするので、有名人だと思ってました。
で、ちょっと知ったかぶって、夫に話を振って自爆です。(恥)
夫が、「裸の王さま」 に出て来る正直な子どもに見えました。

さて、さて、ドラマの話です。
赤紙(召集令状)をめぐる話と、玉音放送のシーンです。(ちょっと再現しますね)

年若いけれど農業の師匠と仰いでいた若者に赤紙が配達され、手渡され、
居合わせた人が口々に、「おめでとうございます」 と言います。
けれど、若者の顔は、笑顔を作りながらも動揺が隠せません。
次郎さんとの握手のために差し出した手は、震えていたのです。
次郎さんは、若者と握手をしながら、こう言います。
「君は、日本のため、農業のために必要な人だから。必ず生きて帰って来て下さい」
複雑な気持ちの次郎さん。
すると、配達の方が次郎さんにも赤紙を差し出すのです。
ショックを受ける次郎さん。
で、次郎さん、どうしたかというと…
作った野菜を携えて、軍のエライさんで旧知でもある辰巳氏(高橋克実)宅を訪れます。
満面の笑みで、野菜の立派さを褒め称える軍のエライさん。
そこで、次郎さんは、赤紙が来たことを伝えるのです。
訪問の目的を察して憤る軍のエライさん。
次郎さんは、徴兵を握りつぶしてもらいたい目的で訪問したからです。
次郎さんに失望し、「帰れ!」 とどなる軍のエライさん。
しかし、次郎さんは、引き下がりません。
「戦争のために犠牲になるのは絶対にイヤだ!」 睨みあいです。
(次郎さん。結局、赤紙は、握りつぶしてもらった)
農業の師匠である若者は、外地で戦死しました。
その葬列に遭遇し、頭を垂れる次郎さん。
そして、終戦。
家の中では、玉音放送が流れています。放送とは無関係に、庭を遊びまわる子どもたち。
次郎さんと正子さんは、放送を聞いています。(台風情報を聞いているような雰囲気です)
それから、次郎さんの通訳としての活動的な仕事が始まるのでした。

とっても分かり易い、戦争の悲惨さを極力排したようなドラマになっています。
ところで、戦争に対する責任なのですが、
「避けられた戦争を始めたのは軍部」 と、(NHKでは)次郎さんの口から出しています。
だから、自分達家族は、戦争が始まるとすぐに自給自足が出来る田舎に引っ越したのです。
さらには、空襲の中、東京に住んでいた幼友達を迎えに行き、一緒に暮らし始めます。
彼も自由人です。働かず、子どものピアノで洋楽を弾き、それを楽しむ白洲夫妻。
正子さんは、家事も育児もしません。働くのは次郎さんと子どもたち。そしてお手伝いさん。
ソファで、タバコを燻らす正子さん。
家事や育児以外の能力に自分の居場所を見い出していきます。
それは、骨董の真贋を見抜く目と文章力なのでした。

人には、それぞれの分があり、場所があります。
次郎さんも正子さんも素晴らしい才能が発揮出来て良かったです。

え?
なんだか、イヤミったらしい書き方じゃないか。ですって?
そんなこと… 少し、あります。

不器用に、時代に翻弄され散っていった命。
自分を守ることよりも、家族や国を、その将来を守ろうとして散った命。
大切な子を涙を呑んで笑って見送った家族。
そんな尊い気持ちが蔑ろにされたように感じたからです。
彼らは、軍の犠牲者でも戦争の犠牲者でもないような気がしているからです。
彼らは、犠牲になったなどと考えていないと思うからです。
アカルイニホンのためのイシズエとなったのです。
それが 「靖国の心」 ではないでしょうか。

外国暮らしの長かった次郎さん。
そして留学し帰国後すぐに19歳で結婚した正子さん。
考え方も欧米的なご夫婦なのだと思います。

そして、欧米的な価値観が優先されることになる戦後。
だからこそ、白洲次郎氏は、モテハヤサレ、有名になったのかも知れません。
(掲示板も素晴らしいドラマだと、絶賛の嵐です)

チョッピリ(?)イヤミが入った言葉になったワケは、そんな理由からです。
ああ… 私って、以外と古風、かも。
そうですね。間違いなく、不器用な日本人だと思います。[わーい(嬉しい顔)]

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ボブ

見ようか見まいか迷い、結局見ませんでした。
彼が語学力が堪能であった故、強い個性を持っていた故、GHQとの交渉で日本側に有利な交渉が出来たのは事実でしょう。
しかし、国の政策は一人のスーパーマンが作り上げているものではなく、交渉の基礎となる沢山のベースデータを作り上げた当時の官僚達や政治家達も交渉を支えていたことでしょう。
場面場面によって必要とされるスキルが異なっただけのことで、別に彼一人が偉かったわけでは無かったのではないかというのが、ボブの感想です。凡人の僻みかも知れません。
カッコイイ人だったのは本当のようです。写真など見ると確かにカッコイイ人だなとボブも思います。
by ボブ (2009-03-09 00:54) 

元気

ボブさん、こんにちは。
ナイスとコメントをありがとうございます。

私は、勝手に英雄化してました。(笑)
ドラマでは、とっても人間的に描いていると思います。
奉仕の精神に裏付けられた理想とか信念の持ち主、いわゆるヒーローではありません。
持てる者が、持ち続けること、または増やすことについて、考えてしまいました。
拝金主義の方々は、憧れ称賛するでしょうね。


by 元気 (2009-03-09 18:46) 

黒猫のみわ

コメント@えんため日記ありがとうございました。

同じように違和感を感じていらっしゃる方がいて、ホッとしました。
実は、ブログを書く時、おそるおそるだったもので・・・(焦)

また遊びに来てください。
by 黒猫のみわ (2009-03-10 21:38) 

元気

黒猫のみわさん、こんばんは。

>同じように違和感を感じていらっしゃる方がいて、ホッとしました。

私もホッとしました。(笑)

>実は、ブログを書く時、おそるおそるだったもので・・・(焦)

私は、図々しいもので…
書いてやるぅ。と思いました。(笑)
でも、他の方のブログでコメントを書くときは、おそるおそるですよ。
怒られないかと… 小心者です。
黒猫のみわさんが怒っておられないようで、良かったです!
だから、また、遊びに行かせていただきますね。(^^)v

by 元気 (2009-03-10 23:12) 

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