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『 「眞相箱」 の呪縛を解く 』 その2 (政治・外交) [読書]

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『眞相箱』 冒頭の 「はしがき」 には、放送を始める経緯として、

日本国民の真相を知りたいという希求をもとにラジオ番組が企画され、
質問に答えることになった。

と書かれています。
『眞相箱』 の前身番組である、『眞相はかうだ』 で、
放送局(NHK)に抗議や非難などの手紙が寄せられたことから、
『眞相箱』 では、より巧妙に(抗議や非難が少なくなるように)配慮したようです。

『眞相箱』 では、立派な日本人もいたことも織り交ぜて放送しています。
本当と嘘を織り交ぜ、耳障りのよい立派な行為を織り交ぜることにより、
放送された内容が全て真実だと納得させることが出来るからです。
戦後まもない娯楽の少ない時代、NHKラジオから団欒の時間(午後の8時から30分)に流された放送。
前後の時間には、人気の高い番組を配することで、より多くの日本人が聞くように工夫されています。
時間や曜日を変えて、再放送もされました。
『眞相箱』 の主旨は、

いかに日本の軍国主義が悪くて間違っており、
いかにアメリカが戦争を終わらせるために平和への尽力をしたか。

を知らしめること。
日本人自身が自ら大東亜戦争を否定するように誘導されたのです。
日本断罪の物語をつくり広めることで、GHQの自己正当化を図ったのです。
GHQみずから企画し台本をつくり演出を担当したラジオ番組でありながら、
GHQ製作を秘した番組です。
ゆえに、あくまで、日本人自らが真相を知りたいという要求でつくられたという設定です。
放送は、戦後の混乱と不安の中、過去を清算して未来に向かうための指針となったはずです。
それでは、どういう放送がなされたのか、タイトル(質問内容)を書き出すことに致します。

◎政治・外交
○台湾、樺太、朝鮮の領有
台湾、樺太、朝鮮を領有したのは日清、日露両戦役で、
いわゆる侵略によってこれを奪い取ったという解釈について御説明下さい。

○対支二十一箇条の要求
第一次世界大戦において、
日本から中華民国に提出された21箇条の要求について御説明下さい。

○日本を支配せる関東軍
我々は宣戦の大詔に不覚感動致しました。
日本はこの戦争を崇高な精神をもって、本土防衛、東亜共栄圏確立のために始めたのだと思います。
ところが戦争の進展ともに軍部は専制的になり、はじめの目的から離れ始めたのだと思います。この真相をお知らせいただけませんか。

○東条首相の思想統制
どういう方法で東条首相は、国民の思想の自由を束縛したのでしょう。 

○東條政権崩壊の内幕
東条政権の崩壊について真相をお知らせ下さい。

○ルーベルト大統領の親書
昭和16年12月6日に、故フランクリン・D・ルーズベルト大統領が天皇陛下宛に送られた親書の全文をお知らせ下さい。

○ルーベルト大統領の親書を陛下は見られたか
合衆国と日本の戦争を未然に防ごうとしたルーズベルト大統領の親書を、天皇陛下は果たして御覧なされたのでしょうか?
それとも、東郷外相が途中でおさえてしまったのではないですか。

○海軍は戦争に反対であったか
海軍は戦争に反対だったそうですが、何故戦争を止めるように努力しなかったのですか。

○天皇陛下と真珠湾攻撃
真珠湾攻撃についてお話し下さい。
何日何所から出撃したのでしょうか。
また、天皇陛下は真珠湾攻撃をご存知だったのですか。

○天皇陛下の大詔への御署名日時
天皇陛下が宣戦の大詔に御署名されたのは、一体何時のことでしょうか。

○軍部のマレイ統治
我が軍部はマレイ住民に対し、どんな統治を行ったのでしょうか。

○我が軍の守勢転換とその原因
今次大戦で日本が鋭鋒をくじかれ、守勢に転じたのは何時頃ですか。
またその理由は何でしたか、御知らせ下さい。

○カイロ会談と声明
ルーズベルト大統領、蒋介石主席及びチャーチル総理大臣が、
カイロにおいて開いた会議の詳細を御知らせ下さい。

○ポツダム宣言の受諾前夜
日本の降伏について詳細にお話し下さい。

○ポツダム宣言
軍閥と財閥が結託してこの戦争と惹起したのだが、我が国の封建制度にもまた弱点があった。
明治天皇がお降りになった五箇条のご誓文の中には、
「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ」
とあり、多分に民主主義的な意味が述べられていると思う。
ただこれが一部の首脳者によって悪用されたのだ。
連合国は今更日本に民主主義を押し付けようとしているのではないか。
日本も軍閥の財閥を除去して和衷協同すれば、諸外国と平和にやっていけると思う。
米国は直ちに日本の平和的再建を援助して呉れるつもりか。
外見的なものではないのか。
復員に次ぐ復員で、軍人以外の者までこの狭い内地、食料の逼迫した内地へスシ詰めにして、手をかけずに、大和民族の滅亡を計っているのではないだろうか。この点をはっきりさせて欲しい。

○ソヴィエットの対日宣戦布告文
ソヴィエット・ロシアは、何故日本に宣戦布告をしたのでしょう。

○世界の大勢また我に利あらず
我が国が無条件降伏をするに到った原因をお教え下さい。

○降伏文書の内容
日本が正式に無条件降伏を受諾した時の文書の内容をお知らせ下さい。
(重要部分を転記)
一切の日本国軍隊及び日本国の支配化に在る一切の軍隊の連合国に対する無条件降伏を布告す。
一切の日本国軍隊及び日本国の支配化に在る一切の軍隊の指揮官に対し、
自身及びその支配下にある一切の軍隊が無条件に降伏すべき旨の命令を直に発することを命ず。

○降伏文書受諾の御詔勅
降伏文書受諾宣言をお知らせ下さい。

○日本敗因の実相
ある本で、日本には堅固な防備施設があったということを読みましたが、ではどうして日本は負けたのでしょう。
政府の発表によれば戦局はいつも日本に有利でした。
日本は偽りをいう国でしょうか。

○日本歴史
学校で、誤まれる日本歴史が教えられていたということですが、誰がその責任者ですか。

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赤字で記載した部分は、とても重要なのでここに改めて記載しておこうと思います。
GHQは、意図して、「無条件降伏」 を使用しています。
ドイツは無条件降伏です。
それは、ヒットラーが自殺し、中央政府が消滅して降伏したからです。
日本は、特定の条件を受け入れての有条件降伏だった。
ドイツとは異なり、中央政府も消滅しておらず、ポツダム宣言を受け入れての降伏だったのです。
日本国軍隊に対する無条件降伏であることは、実際に、ポツダム宣言の宣言文にも明記されています。

一切の日本国軍隊及び日本国の支配化に在る一切の軍隊の連合国に対する無条件降伏を布告す。
一切の日本国軍隊及び日本国の支配化に在る一切の軍隊の指揮官に対し、
自身及びその支配下にある一切の軍隊が無条件に降伏すべき旨の命令を直に発することを命ず。

すり替えが行われたと言わざるをえません。



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