浦島太郎 [エッセー]
浦島太郎(うらしまたろう)1.昔々浦島は 助けた亀に連れられて
竜宮城(りゅうぐうじょう)へ来て見れば 絵にもかけない美しさ
2.乙姫様(おとひめさま)のごちそうに 鯛(たい)や比目魚(ひらめ)の 舞踊(まいおどり)
ただ珍しく面白く 月日のたつのも夢の中(うち)
3.遊びにあきて気がついて お暇乞い(おいとまごい)もそこそこに
帰る途中の楽(たのしみ)は 土産(みやげ)にもらった玉手箱
4.帰って見ればこは如何に(いかに) 元居た(もといた)家も村も無く
路(みち)に行きあう人々は 顔も知らない者ばかり
5.心細さに蓋(ふた)取れば あけて悔しき(くやしき)玉手箱
中からぱっと白烟(しろけむり) たちまち太郎はお爺さん(おじいさん)
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いきなりの童謡です。
が、1番2番の歌詞しかしらないということを知ってビックリ。
”おいとまごい” の意味も知らないということで、さらにビックリ!
曰く。亀に連れられて竜宮城で豪遊するという歌だと思っていたらしい。
で、3番から5番まで歌ってみた。そうしたら、
詐欺だ。誘拐だ。恩を仇で返したとご立腹(!?)
の思いがけない食いつきの良さにビックリ。(なんでやねん!)
だから、楽しいことは、瞬く間に過ぎ去っているという教訓なんでしょ。
夢中になるのもほどほどにしないと、ヤバイことになりますよ。ということ。
亀の甘言に乗せられて時間を無駄に過ごした太郎さん。なんとも可哀そうじゃないか。
(という理屈らしい)
そう?
乙姫様や魚たちに歓待されて調子に乗って遊び過ぎて、ふと気がついた。
でもって、大急ぎで、歓待に対するお礼や感謝も十分にすることなく、
大慌てで帰りついた太郎さん。礼を逸していないかしらん。
いいや。歓待は、亀を助けたお礼だったんだから、礼を逸したことにはならないだろ。
ちゃんとお礼を言って、名残を惜しんでいたら、また違う展開だったのかも知れないよ。
乙姫様が引き止めて、情も移って、死ぬまで居たかも知れないじゃない。
いいや、それでは話にならない。きっと教訓が込められていたはず。
亀を助けたくらいで大盤振る舞いの大歓迎。そこに罠がしかけられていたんだ。
なんという酷い罠だ。安易に亀(人)助けなどするとエライ目に遭うという教訓かも。
早めに太郎も気づくべきだったんだ。この歓迎ぶりは度を越していると。
太郎の認識の甘さがこの結末を導くことになったんだな。
なんちゅうことを。
乙姫様の善意を悪意でとってはいけないよ。
夢のように楽しいときは瞬く間に過ぎてしまった。
現実に戻るということは、過酷なもので、夢の償いはしなければならないということでは?
いや。この童謡の教訓は、なかなか深いと思うよ。
知っている人もいないくらいの時間の経過。それは、すごい罰だ。
楽しませて、罰を与える。それって、陰湿だよな。
げ!?
慎みもなく楽しんで、お礼もそこそこに逃げ帰った太郎さん。
もしかしたら、乙姫様の好意を踏みにじったのかも知れないよ。
いやいや、楽しい時はあっという間に過ぎるから、気をつけようという教訓なのかも知れないね。
(一人で納得。満足された様子。ま、納得されて良かったです)
何にしろ、ご利用は計画的に。ということなのかも。
2009-08-07 21:05
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昔話はこの理不尽さに子供がどう反応するのか楽しみで、時々子供に読み聞かせます。
話によっては子供は泣くこともありますが、「情緒の力」はついてきたように思います。
by たいせい (2009-08-11 00:48)
たいせいさん、おはようございます。
ええ。理不尽さ。
恨みもこもっているのかも。(笑)
けれど、昔話には、とても大切な智慧がタップリ。
>「情緒の力」はついてきたように思います。
強さ、逞しさ、優しさ、柔軟性。
育むべき大切なことですよね。
親子で育まれる環境。それほどありがたいこと、ないと思います。
たいせいさんは、奥様と実践されています。
とても素晴らしいことだと思います。
残酷なこと、理不尽なこと。世の中には溢れています。
オブラードで包んだり、隠したり誤魔化したりせず向き合うことの大切さ。
傷ついた心を癒す場所のある幸せ。それが教育です。
>時々子供に読み聞かせます
ぜひ。
そうそう、「かちかち山」 も。
流しの下の骨。(※江國香織氏の本のタイトルにもなってます)
怖くても真実に目を背けないこと。
それが現実に立ち向かう力になると、私は思います。
by 元気 (2009-08-11 09:34)