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スイスと日本 国を守るということ ~最初に~ (1/2) [読書]

スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ
suisu.jpg 祥伝社 松村 劭 (著)
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内容(「MARC」データベースより)
強国に囲まれたスイスが、平和でいられた理由とは?
スイスが守ってきた2つの国是「永世中立」と「民間防衛」について、
スイスの国防観と日本の自衛観の違いなど、スイス人が教える「平和の常識」を解説。

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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
米国国防省認可法人デュピュイ戦略研究所・東アジア代表。
国際戦略研究所(IISS)会員。防衛大学校卒業。陸上自衛隊指揮幕僚大学卒業。インド国防参謀大学留学。
陸上自衛隊で西部方面総監部防衛部長などを歴任。
自主退職後、日立製作所で戦車技師として勤務。1994年より著述活動に入る。

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先のスイス政府のマニュアル本、『民間防衛』 と併せて買った本です。
自衛隊にいた高官ですから、「国を守る」 という立場で書かれているのだと思います。
けれども、自衛隊に入隊したことのない一般の人にとっては、「国を守る」 は敷居が高いでしょう。
『民間防衛』 のように、一般の人に向け、一般人の視点で書かれた本の方が読みやすいと思います。
『民間防衛』 のように、「自由と財産を守る」 とした方が関心が得られやすい気がするからです。
なぜ、一般の人が政治に無関心なのか。それは、敷居が高いからです。
日本人にとっては、特に若い人にとっては、平和が当たり前のように空気のようにあるからです。
国を守るというと、自らを犠牲にするイメージを持ちかねない気がします。
とても良い本なので、多くの方に読んで欲しいのですが、以上の観点から残念な気がしています。

「国を守る」 とは、国に住む国民の安全と自由、その財産を守るということです。
国の歴史や文化伝統を将来に引き継ぐことを守るということです。
国があっても指導者が外国人に変わっているかも知れません。
衛星国、属国として、あるいは植民地、自治区として存続する道もあるかも知れません。
けれども、それでは主権国として、独立国としての機能はなさないことになります。

衛星国:強大な国の周囲にあり、政治・経済・外交上、その国の支配または影響を受けている国。

 属国:他の国の支配を受ける国。従属国。

植民地:ある国からの移住者によって経済的に開発され、その国の新領土となって本国に従属する地域。
     武力によって獲得された領土についてもいう。

自治区:少数民族の自治を保障するために設けられた行政区。

独立国:完全な主権を有する国家。国際法上の能力を完全にそなえた国際法主体。主権国。

日本は大東亜戦争に敗れ(1945年)、連合国軍(GHQ)の占領下に置かれました。
その占領下において、勝者(連合国軍)が敗者(日本人)を裁くという裁判(東京裁判)が行われました。
さらに、占領下において、日本国憲法を公布(1946年)、翌1947年に施行させています。
教育勅語は、1948年に、国会でその失効および排除を決議しています。
連合国と日本の間にサンフランシスコ講和条約が結ばれたのは、1951年です。
1951年、サンフランシスコ講和条約によって、日本は、第二次世界大戦(大東亜戦争)を終結させ、
独立を回復(主権を回復)したのです。
日本は、1945年に無条件の武装解除をしてから、実に6年もの間、連合国の占領下にあり、
その間に、日本国憲法の公布・施行、教育勅語の失効・排除がされたということです。
(ここ、スゴク大事です!)

今、独立国となってから生まれた人々が多数を占めています。(私もそうです)
生まれたときから、独立国でした。独立を勝ち取るための戦争を経験していません。
けれども、それ以前に生まれた世代にしても独立を勝ち取るための戦争を経験していないのです。
日本は、どこの植民地にも衛星国にも属国にも自治区にもなっていないのです。

日本人は、生まれたときから、誰もが独立国としての気概を持っているのかも知れません。
戦後、経済の発展とともに、平和は、空気のように、日本人とともにあります。
日本以外の場所で戦争が行われ、難民が生まれ、国の名前が変り、国境が変わっても、
日本人にとっては、愛国心や国家観、国旗の意味や大切さも分かり難いかも知れません。
大切なものでも、当たり前にあるものは、その有り難さが分からないのかも知れません。

著者は、経歴によると、多額の税金を使って勉強し、留学もされています。
自主退職後は、その技術を知識を生かして民間に就職。
現在は、米国国防省認可法人デュピュイ戦略研究所・東アジア代表 をされているようです。
その経験と知識を生かして著作活動をなさっておられる。そういうことなのでしょう。

(ウィキペディアの経歴から)
1978年 国連会議 「特定通常兵器の使用の制限または禁止に関するジュネーブ条約」      のために、防衛庁から外務省に出向。
      スイスにて戦時国際法と列国の状況の調査を行う。

それで、この著作、『スイスと日本 国を守るということ』 が書かれるに至ったようです。
確かに、本の冒頭、序章は、「現地で見た素顔のスイス」 です。
1978年の国連会議のために訪れたスイスで、見聞きしたこと、世界との折衝が記されています。
国益優先だから、列国は、戦場における損害の直接原因を明かさない。
非現実的な意見や、現実的な意見が交錯したようです。
防衛としては認めるが攻撃としては認めない兵器とか…
近代装備を持たない国々は、テロやゲリラが遺体や水道に仕掛ける地雷を正当な戦闘手段として認めろとか…
会議の基準は人権ではないと痛感したそうです。
(日本では人権が最優先と考える人が多いようです)

[猫] 国民を守るためにする折衝ならば、国益の衝突になるのは当たり前な気がします。
   人権は、国あってこそ守られるものでしょうから…

さて、さらに序章の内容を続けます。

■スイスは季節雇用の外国人労働者が多い
盗難事件が日常茶飯事だけど、政府は観光が売りなので、よほどの必要がない限り、犯罪事件は新聞に載せないように行政指導しているそうです。
だから、その対策として、「一つのドアに付けられた五つのドアの鍵」 があるそうです。

○外出するときは、合計5つのドアの鍵のかけ方を毎日変える。
 全部かけたらダメ。今日は、1-3-4。明日は、2-4-5。そういう風に掛ける鍵を変えるそうです。
 泥棒は、開いている鍵を閉めてしまったりして、諦めるかもしれないからだそうです。

○トランクは空にして鍵をかける。
 泥棒は、トランクを利用して盗んだものを持ち出せない。

■成熟した国防観
スイス人の堅強な性質が艱難辛苦の歴史から生み出した国防意識は、民間人にまで徹底している。
酪農家に対して牛1頭に対して多額の補助金を出しているのは、国境山岳地帯の日常的な警備を家畜や牛追いにさせているともいえる。

○橋の橋脚には爆薬をしかける穴が斜め方向に並んでいる。
 普段は気付かれないように木のフタをしてある。

○1.5m間隔で道路に20cm角の鉄板が横断している。
 道路脇にコンクリートで防護されたギアがあり、回すと太い鉄棒が地面から伸びだす。
 対戦車砲陣地を見事に構築し、巧妙な偽装が施されている。
 
○原爆攻撃用の避難施設

○家屋の配置も防衛陣地を構成できるように配置されている。
 家屋に銃眼がある。壁は城砦の防壁。小銃・大砲が貫通しないように作られている。
 警戒陣地、主抵抗陣地、予備陣地、対戦車ポケットなど本格的な防御戦術にすぐさま移行可能。


さて、次では、いよいよ本編に入ることにします。

(2/2に続く)


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コメント 6

rari

[水槽]д-)うーん 濃厚チーズクリームのシュークリーム喰いながら読んでました~
脳が溶けてます・・・(o_ _)oスンマセン

いろいろなコト、元気さんは考えてるんだな~っと
なんとなく 羨ましくもあり・・・

人間は退化し続けている と思うおいさんでありますが
進化しようと頑張ってる人もいるのだと思うと
すこ~し ほっこりなキモチになりました^^
by rari (2009-10-04 18:21) 

元気

rari さん、こんにちは。
ナイス&コメント、ありがとうございます。

>濃厚チーズクリームのシュークリーム

うわぁ… 美味しそう♪
甘くて可愛い(?)~♪♪
私も何か買いに行こ、今から♪

>脳が溶けてます

私は壊れてますから。(汗)
修復作業中です。
(三歩進んで二歩下がる状態)

>すこ~し ほっこりなキモチになりました^^

まぁ。
私の記事を見てホッコリとは… ツワモノですね♪
それは、とっても嬉しいです。^m^

by 元気 (2009-10-04 18:47) 

釣られクマ

>自治区:少数民族の自治を保障するために設けられた行政区。

これ、チベット、東トルキスタン、南モンゴルの現状と
大きく乖離したよね
漢民族ばっかりになったしさ
by 釣られクマ (2009-10-05 09:22) 

ペイン

 民主党のある保守は議院からの情報ですが、「外国人参政権」「夫婦別姓」を法制化しようと今うごめいている極左分子がいます。まあ、ネットの人からすれば「そんなことしっているよ!」となるわけですが・・・
 今朝NHKを拝見しましたが予想通り、報道されていません。おそらくこれを報道しているマスゴミは皆無でしょう。

 やはり、口で説得するよりも実際に五感で理解した方が効果的なようです。痛みを与えるのが手っ取り早いのですが、私は資料を見せるという戦略にでます。高校生はどうせ自分では調べたりしない連中ばかりですから。
by ペイン (2009-10-07 07:21) 

元気

ナイスとコメントをありがとうございます。

>痛みを与えるのが手っ取り早いのですが、

不感症なのかマゾなのか… 
とっても気持ちが悪いです。
痛めつける側も痛めつけられる側も。

忍耐強い。それは確かです。
我慢さえしていればナントカナル(ナントカナッタ)?
さて、そこには、善意があることが前提です。

世界は腹黒いです。
自分を守るためには、他を蔑ろにすることを厭わないかも知れません。

日本国憲法前文。
(ご参考:http://muumintani-irasyai.blog.so-net.ne.jp/2008-06-01
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

独立を回復していない占領下に施行された憲法です。
ゆえに、他国に自国の平和を委ねて当然だったのです。
それを独立回復後も金科玉条のようにしている。

御守りです。
御守りに込められた思い。
分からないのか、分からないフリをしているのか…
(私利私欲が見え隠れします)

「夢を見ている」 のではなく、「夢を見たい」 のだと思います。

ご参考:「怖いのは生きている人だよ」
http://muumintani-irasyai.blog.so-net.ne.jp/2009-09-02-1

どんなに小さな一歩でも進むしかないですよね。
諦めないこと。頑張りましょう。



by 元気 (2009-10-14 09:20) 

 勝俣一生  永井  塚林弘樹 


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