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きっと、プライドが足りないのです。 [読売新聞人生相談]

5月30日の読売新聞。19面。人生相談。
記事のタイトルの言葉に、思わず唸ってしまいました。[ひらめき]
まずは、質問から…

『独身男性、周囲の結婚に劣等感』
http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20110530-OYT8T00150.htm
顔文字表.jpg20代半ばの会社員男性。
同僚が次々結婚し、独身として取り残され、
悲しい思いをしています。
私の職場では20代での結婚が多く、最近も仲の良かった同期の女性や、 直属の後輩の女性が結婚することになりました。しかも、彼女たちの相手は、それぞれ同じ職場の同期でした。
私には、結婚は人間として魅力のある順番にしていけるもの、という考えがあります。
愛される価値のある人から先に結婚するのだと。だから、親しい女性が私のよく知る男性と結婚すると、「なぜ、相手が僕ではないのだろう」「僕はあの男よりも魅力が劣っているんだ」などと考え、落ち込んでしまうのです。結婚した知人とは連絡を取らなくなることもあります。
私のプライドが高いだけとも思いますが、身近な人の結婚話には心中穏やかではいられません。
この先、同僚などの結婚にどのような心持ちでいればいいでしょうか。(神奈川・Y男)

その回答です。
顔文字裏.jpgまだお若いのに取り残されるのが悲しいだなんて、
なぜそんな結婚観をもつようになったのでしょうか。
もしあなたが考えているような順番で人が結婚するなら、世の独身者はすべて愛される価値のない人間ばかりになってしまいます。
親しい女性が同僚と結婚するからといって、自分がその男性より劣っていると考えるのも論理の飛躍です。なぜ彼女が婚約者とあなたを比べる必要があるのですか。
あなたが彼女を恋愛対象と考えてアプローチしたことがあったというならまだわかるのですが、そうではありませんね。
あなたはプライドが高いのではなく、きっとプライドが足りないのです。
誇れる自分がないため周囲に振り回されてゆらゆらしてしまう。恋愛に踏みこめず、人の優れたところを素直に尊敬することもできない。交友関係を断ってしまうのも、そんな自分が歯がゆいからではありませんか。
 本を読み、趣味やスポーツで視野と人間関係を広げ、結婚について思い悩む時間を減らすことも気持ちを楽にしますよ。職場だけが社会ではなく、結婚だけが人生ではありません。まずは一日も早く穏やかな日常を取り戻してください。 (最相 葉月・ライター)

「プライドが高いのではなく、きっと、プライドが足りないのです」

ゲーセン2.jpg


プライドとは、誇り。名誉。自尊心。自負心。です。

【自尊心】
自分の人格を大切にする気持ち。矜恃(きょうじ・きんじ)。誇り。
また、自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度。プライド。

プライドが高いから、自分で動く必要が無いと勘違いしているのだと、考えていました。
けれど、自分で動かずに周りが(都合よく)動いてくれるなんてこと…

赤ちゃんでも無い限り難しいことです。

ですから、プライドが足りない という言葉に衝撃を受けました。
考えると、その通りですよね。
いつまでも赤ちゃんでもいられません。
そして、確かに、赤ちゃんにはプライドは有りません。

チョウよ花よと育てられ、王子さまお姫さまのように育てられてもプライドは育ちません。
(煽てられ持ち上げられて育つのは、虚栄心です)

ならば、プライドとは、どうやって培うのでしょうか。
それは、責任と対にして培うものなのです。

思い通りにならないことを山ほど経験し、自分の背負うものの重さをしっかりと感じること。
壁にぶち当たって、回り道をしたり、ハシゴを架けたり… なんとかしようと頑張ること。
責任を負うという覚悟を持つ経験からプライドは培われるのではないでしょうか。
昔の人は、上手いことを言いました。

可愛い子には旅をさせよ。

それは、苦労を乗り越えた経験が、虚栄心ではなく、プライドを培うからです。
さらには、人に評価されるため、自分の(得の)ために頑張るよりも、
誰が見ていなくても御天等様が見て下さると頑張る強い精神力がプライドを培うのです。
プライドを培うとは、ではなく、を培うことであるようです。

すぐれた品性(覚悟)を培うことで、神仏などの加護が得られるのです。
目に見えない神仏(ご先祖さま)への感謝がプライドを培うのだと思います。
(おかげさまの心でしょうか)

既に亡くなられたご先祖様に感謝し、次の世代へと引き継ぐことは目に見えないことです。

目に見える行動で褒められたら、もう、ご褒美(得)はいただいたことになります。
得と徳は違うのです。
得ばかりを追求していては、プライドは培われない 気がします。
目に見えない徳を積むことで得られるのがプライドだったとは… 面白いです。

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戦後の廃墟から奇跡的な経済成長を遂げたのは、頑張った日本人のお陰です。
けれど、経済成長(得)を追求するあまり、徳は置き去りにされた気がします。それは、

頑張っているのに、プライドが足りない人が増えている気がするからです。

国家の矜持(プライド)を持てない政治家。
親としての矜持を持てない母親、父親。
教師としての矜持を持てない教育者。
専門家としての矜持を持てない技術者、科学者、ジャーナリスト…

きっと、みんな、プライドが足りないのかも知れません。
(プライドは、覚悟とも言い換えられるかも知れませんね)

日本人としてのプライド持つために必要なこと。
それは、戦後、与えられた国民主権、得一辺倒で考えないことです。
国家の歴史や伝統・文化を重んじ、後世に引き継ぐために出来ることをしなければなりません。

目先の得に振り回されず、外(国)からの圧力に屈することなく、
独立した個人(国)として必要なものを持つことです。

1945年8月。
焼け野原にした連合国を恨むより、復興に努めた底力は、今も日本人のDNAに刻まれています。
それが、日本人の底力です。

2011年3月。
震災という災害や対応の遅れという人災を恨むより、復興に努めなければなりません。
それが、日本人の底力です。

もう、同じ過ちをしてはいけません。
今度は、得よりも徳を培わねばなりません。

日本人は、プライドを培いたいものです!

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コメント 3

ことえ

「プライドが足りない」かあ!
なるほど、、、。
それはそうだ、、、ですね。
その発想はすごいですね。
ビックリしました!

しかしながら、
質問も回答も、何とももどかしくなりますね(笑)

元気さんの仰る通りだなぁ、、、。
日本人は一番良い形でプライドを培って来た民族だったんじゃないかな!と、後半部分を読んで感じ、色んな日本の偉人達が頭に浮かびました。

そして、すごい偶然なのですが、
私の家のお手洗いには、沢山の良い言葉が壁中に貼ってあるのですが(主人の仕業、笑)
「損して徳とれ
 負けるが価値」
と言う言葉が貼ってあります。








by ことえ (2011-06-10 02:38) 

元気

ことえさん、コメントありがとうございます。
で、2時半? 大丈夫ですか? ^_^;

>日本人は一番良い形でプライドを培って来た民族だったんじゃないかな!

ですよね。
「教育勅語」 を廃止し、経済(得)一辺倒で突っ走ってきたことの反動を感じました。
「教育勅語」 は、「徳」を積むことの大切さが書かれています。
おそらくは、欲の塊である人間ゆえに、徳を意識することが大切なのです。
徳皆無で、欲そのものである赤ちゃんも、
欲を律し、徳を備えて大人になるのですものね。

ならば、生まれ育った環境も価値観も違う男女が結婚することも、
子という別の人格を持つ生命を育てることも、
損得を超え、徳器を成就するための道なのかも知れません。

>「損して徳とれ 負けるが価値」

凄いですね!

そういえば、「逃げるが勝ち」 という言葉もありました。
逃げないまでも、勝ち負け(損得)に拘らない姿勢は大切だと思います。
欲に目が眩んで見えにくくなっても、大切なことはアル(有る、在る)のですもの。
負けることでしか得られないこと(価値)もあるのですよね。
勝ち続けることも負け続けることも怖いことです。
それは、経済一辺倒で欲ボケすることの怖さとも通じる気がしました。

by 元気 (2011-06-10 09:01) 

yukikaze

そうですね。

「薄徳を恥じる」とか、「徳を積む」という言葉が使われなくなって久しいです。「薄徳」などは変換しても出てきません。

戦後の教育の誤りと、戦前の否定が間違いの根本だと思います。
by yukikaze (2011-06-10 15:57) 

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