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『神様のパズル』 夢は遠く、尊く… [映画]

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本日、観てまいりました。
見応えの有る(私好みの!)良い映画でした。[わーい(嬉しい顔)]

予告を観た時から、観ること決めてました。
市原隼人君が良いのです。
この人は、『黄泉がえり』 で初めて見て、私の注目の役者さんです。
『ヤンキー母校に帰る』 、『偶然にも最悪な少年』 とか、少し弾けた役をさせたら秀逸の役者さんだと思います。
セリフ回し、言葉の抑揚が上手いのです。目線やしぐさも素晴らしいです。(挙動不審なとこ?)
で、この 『神様のパズル』 では、双子の二役を演じています。

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基一(兄:もとかず) と 喜一(弟:よしかず)。
基一が主人公なのですが、世渡り上手の弟のせいで(?)日陰のような存在として描かれています。
名門大学の物理学科に通う秀才で、「どこに出しても恥ずかしくない喜一」 と、
寿司屋で働く落ちこぼれで、「どこに出しても恥ずかしい基一」 と母に言われています。(ひど~い!?)

対象性と渦巻き、安定と不安定がこの映画の重要なワードです。
巨大な加速器無限(∞の形をしています)の考案者である天才少女サラカと、
「宇宙が作れるか」 という課題で、ディベート形式のゼミに参加することから話が展開していきます。

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作り方上手いです。
難しい理論も、基一を通して(なんとか!)分かり易く解説してます。
(物語に無理が無い程度に理解出来るところまで引っ張るところが凄いです!)
映画は未見なのですが、(漫画での)『デスノート』 の天才Lと通じるような仕草とか、上手いですね。
足で、その天才の天才たる仕草を表現してました。

喜一と基一。どちらもキイチと読める漢字をあてているところとか、
双子を登場させて、違いと似ているところをさりげなく映像にしているところとかも上手いです。
(それが、この映画の見どころであり、大切なところだと思います)
芸達者な出演者も素晴らしいし、最後まで話を上手く持って行くところも何もかも上手いです。
石田ゆり子が、「オバサン先生」 と言われるところ、辛くなりましたが。(笑)

私としては、とってもワクワク出来て、笑えて、唸れた映画でした。

パンフレット、ちょっと高めの800円。
なんと、DVDのオマケ付きです。

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なかなかに深い歌詞みたいでした。
「夢は遠く、尊く…」 今も、耳に残っています。[ぴかぴか(新しい)]


それでは、少しだけネタバレで感想を。






観念(文学)的な考え方を批判し、理系でモノを考える頭とかのセリフが出て来ますが、
森博嗣氏などが語るように、私も、理系の方は、文系の頭を包括していると考えています。
(四季という天才は… 次元をも超えているような設定ですが、ね)
理系にも何種類かあり、一つでは無いということですよね。
森博嗣氏、手塚治虫氏などは、融通の利く理系男ですからね。
それに対して、頭の固い融通の利かない理系頭の人は、「愛」 とか 「恋」 が苦手なように思います。

院生である助手の相理(あいり:相対性理論から取った名前?)は歪ですから、固い理系頭の代表といえるかもしれません。
頭の固さが自分を追い込み、限界を作っているということです。

基一は、不器用な芸術家肌の男です。だからといって文学的かというとそうでもない。
きちんと理論立てた考え方の出来る男だからです。
そして、思いをとても純粋に大切に出来る男です。
自分の母からの信頼の無さから来る苛立ちも、成長と共に昇華出来る男です。
一途な男って… 良いですね!
岩をも通す。みたいな感じです。
それと、彼の素晴らしいトコロは、モノゴトに囚われないジャンプ出来るところ。
素朴な疑問を発することの出来る純粋さを持っているところです。
それは、素晴らしい特性だと思います。

喜一は、柔軟性のある(融通の利く柔らか頭の)理系の男です。この男は面白いですね。
喜び一番。だから、本来の気質は、チャランポランに見える。
ところがどっこい、それは、柔軟性なのだと… 私は、思います。

須藤も佐倉も白鳥も不器用な理系です。ですが、カチコチでは無い。
社会に順応出来る柔らかさを持っています。
でも… 人としては、描く方としては、つまらない表現になってしまうかも。

そして、サラカ。どんな意味の名前なのか…
頑なに自分のルーツに対するコンプレックス(人工授精)を肯定出来ずにいます。
優秀な頭脳を持ちながらジャンプ(ひらめき)を持たない。
それは、人が自分を天才と称しても、(ひらめきがない)自分を天才とは認められないでいます。
彼女の場合、基一(基礎が一番!?)という素朴な原石と出会うことで、今後花開くという可能性を秘めています。
基一が触媒のような役割をして、彼女のジャンプを助けるわけです。
限界が無くなるヒラメキを得たのでは無いか… そう思います。
森博嗣氏は、ジャンプ(ひらめき)を重視しました。
本当に必要なのは… ひらめきであり、それはジャンプであり、ビック・バンなのだと、私は思います。

ブラックホールが発生して消滅するシーンとか、
基一が、とんでもないトコロからトンデモない登場の仕方をして、『喜びの歌』 を熱唱するシーンとか秀逸すぎて素晴らし過ぎます!
もう、私的には、ウケまくり。
それ以外にも、色々なシーンで、「アハハ」 と、笑ってしまいました。
見知らぬ隣席の人。ごめんなさい。
(うるさかったかも)

あと、稲作とか、田んぼのカエルとか台風とか渦巻きとか良かったです!

私は、ツボに入った映画でしたが…
色んな人の感想を聞いてみたい映画です。[わーい(嬉しい顔)]

お笑いの人も出てて、基一に、セリフでさりげなく、「そんなの関係ない!」 って言わせたり。
遊び心も満載で、とても良い映画だと思いました。

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