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「後期高齢者医療保険制度」 (対談:春山、櫻井) 一灯照隅 3/3 [日本の将来考]

さて、いよいよ、櫻井氏登場です。
パチパチパチ… [揺れるハート]

薄い綺麗なグリーンのスーツをお召しでした。
中に着られているインナーの白とあいまって清楚で凛とした印象です。
穏やかで洗練された話し方は、サスガだなぁと、ウットリしました。

テーマ表題は、「賢く、勁い、日本に変える」
「医療はタダ、福祉はお任せ」 が常識だった日本から、21世紀型医療・福祉への転換。
そして、地域再生という大命題。
今、日本がとるべき「賢く、勁い」 選択とは?

はたして、「高齢者の意識と負担」 意識改革は、成し遂げることが出来るのか…

第一部の春山氏氏の特別講演会を終え、15分の休憩を挟んで、
第二部である、「櫻井よしこ・春山満」 特別対談 が始まりました。
(以下は、(春山氏か櫻井氏か)どちらが言った言葉かよりも、話の流れ・主旨を書いてあります)


   [かわいい]   [かわいい]   [かわいい]


櫻井氏と春山氏は古くからの友人だそうです。
櫻井氏がバリアフリーの家を建てられた際には、春山氏からアドバイスをいただき、
春山氏のお子様がハワイに留学される際には、櫻井氏からアドバイスをいただいたそうです。
そうやって、家族ぐるみのお付き合いをされているとご紹介がありました。

櫻井氏のお母様は、先にも書きましたが、今年の7月には97歳となられるそうです。
2年前にクモ膜下出血で倒れられ、髄膜炎を併発。大変な時期を経ておられるそうです。
お母様が、カテーテルや(脳の)手術等、高度な医療を受けられ、どれほどの請求書が来るのかと、内心不安に思っていたら…
なんと、大変な時期でさえ(高度で手厚い医療を受けて)、月の請求額は5万円だったそうです。
その時に、どれほど、この国の医療という制度が素晴らしいか実感されたそうです。
金輪際、「税金が高い」 などとは言うまい。そう思ったそうです。
誰でもが、高度な医療を安価で受けられる国民皆保険制度、それが素晴らしい制度であるからこそ、
守らねばならないし、必要な改革については、破綻しないための改正ならば、
目先の負担増だけにとらわれずに改革する必要があるのです。
今現在、お母様の介護を二交代で、2人の方に手伝っていただいているそうです。
オムツが汚れるのが不快だろうと、頻繁に交換をお願いしたいため、お母様ともに、お昼寝もしていただいているとのことでした。
お母様に掛かったお金は、(介護のための人やモノを含め)莫大な金額になるそうです。
幸い、人よりも収入があるために、賄うことが出来ているとおっしゃっていました。
そういった、キメ細やかな介護の甲斐があってか、お母様は97歳になられようとするお年でありながら、
ますますお綺麗で、「お綺麗ですねぇ」 と褒められるとのこと。
お母様とともに暮らすということが、生活に潤いをもたらしていることが窺えるお話でした。

さて、必要な負担を誰がどう担うのかを考えるとき、
辻褄あわせや、その場シノギの対応で、改革の時期を逸するとすれば、時間とともに、色々な大切なモノを失っていきます。
議会や国の対応の不手際で時期を逸するということに対しての、危機感をについて話されました。
日本国民は、今こそ、「権利のための義務」 を
自覚する必要に迫られているのではないでしょうか。
それは、ベストチャンスであり、ラストチャンスであると考えています。
今、自分だけのことを考えるのではなく、日本の将来のことを考える時期に来ているのです。
日本は、「恥の文化」 の国だったはずです。
いつから、「要求ばかりする国民」 になったのでしょうか。
恥を知るべきだと思います。

「終の棲家」 としての住みなれた家で、死を迎えたいと考える人のために、
支援するための医療や福祉こそが求められているのでは無いでしょうか。
「ナンバーワン であり、オンリーワン である」
個人個人にあった医療と介護こそが必要なのではないでしょうか。
そのために国が出来ることと、国民が(自分自身で)出来ることを分けて考えることが必要です。
在宅医療は、「終の棲家」 のためのワンステップリビングなのです。
2階建ての医療・介護サービスは、その2階部分を自己の責任で選択するサービスです。
1階部分である、公的な援助については、国が担い、個人的なキメ細やかな対応については、
個人の責任と意思で選択する。
格差は、差別でなく、選択なのではないでしょうか。

春山氏と櫻井氏の懇談は、冷静に論理的に進められ、
体験を交えて語られるお話は、親のことであり、子どものことであり、世界のことでした。
目からウロコで、常識を疑い、常識に捉われず、選択することの大切さが語られました。

そんな中、難しい言葉が出てきました。

春山氏が、「民は之に由(よ)らしむべし之を知(し)らしむべからず」 とおっしゃり、
「自民党にモノを申さない」 とおっしゃったのです。
家に帰って、この言葉の意味を調べてみました。

論語(泰伯):
人民を為政者の方策に従わせることは出来るが、その理由を理解させることは難しい。
俗に、人民はただ従わせればよく、理由や意図を説明する必要はない。

説明する必要が無いくらいの信頼関係がありさえすれば、
この論語の言葉は納得のいく言葉です。
ですが、ねじれ国会であるとか、
福田首就任後の自民党の指導力とか、
「信頼したいのに、信頼できない状況」
このことが、一番の問題であると思います。


それでは、この後は、質疑応答に入っていきます。






参加者からの一人目の質問(実は、私です[あせあせ(飛び散る汗)])の主旨。
櫻井氏のお母様の事例を考えても、この国の医療制度というものの素晴らしさを感じずにはいられませんが、
自民党が少子化対策として提案している1000万人の移民計画について、不安を覚えています。
派遣やアルバイトにしか従事出来ないワーキングプアの現実。
ニート、インターネットカフェ難民… 
若者が将来に不安を抱いたまま、生活の基盤も築けないまま、
移民を受け入れ、その方々の補償まで引き受けるとすれば、
既に破綻し、今支払っている保険料が既に医療費に充当できていない状況であるとすれば、
これ以上の負担を国が負うことに危機感さえも覚えています。
「木を見て森を見ずではいけない」 そうおっしゃいました。
ですが、森を見ていても、枯れ木ばかりであったり、森に火が放たれた状態だとしたらどうしたら良いのでしょう。
春山先生は、「自民党にモノを申さない」 とおっしゃいました。
ですが、私は、言うべきことは言い、反対すべきことは反対すべきだと考えています。
孫や子の世代に負債を負わせないための施策、そのために、現実として、何が出来ますか。
櫻井氏、春山氏の意見を聞きたいと存じます。

春山氏の回答の主旨。
日本は、今まで、移民鎖国に近い状況が続いて来ています。
もっと、色々な国から介護を含む人手を受け入れるべきなのです。
それは、安い賃金で受け入れるのでなく、労働に見合った賃金と地位の両方を整備して受け入れるべきなのです。
それによる、受け取るサービスの向上は、日本人にとってもプラスになるからです。
世界を見渡しても、世界各国で、移民を受け入れています。
例えば、フィリッピンの介護は質が高い。
けれども、フィリッピンの方々は、日本には来たくないと言われます。
それは、何故でしょうか。日本の受け入れる側の意識が低いからです。
フィリッピンといえば、風俗業的なイメージを持つ。そんな低い意識の日本に来たいはずがありません。
フィリッピンの介護の人々は質の高い介護を生かすべく、イギリスなどの日本以外の国に行くのです。
受け入れるべき日本人の意識を変えて、移民鎖国をやめるべきだと思います。
インドネシアは、フィリッピンに比べると質は落ちますが、高いレベルを持っています。
そのインドネシアの方々が、日本での高い給料を見越して来日を予定しています。これからも増える予定です。
心配しなくても、移民されて来られる方々は、それに見合った保険料を充分に支払うだけの報酬を受け取り、
その中から、きちんと保険料も支払ってくれるはずです。心配には及ばないのです。

櫻井氏の回答の主旨。
安易な移民の受け入れについては、危機感を抱いています。
日本に在住する外国人のトップが中国人であるという現実を踏まえ、
将来、1万人も受け入れるとすれば、それは、ほとんどが中国人であるという危機感を拭うことは出来ません。
安易に移民を考えるよりも、少子化対策を考えるべきでしょうね。
少子化の問題を移民ので解決することには、無理があると考えています。

春山氏の言葉より。主旨。
「一灯照隅」 の意識を持って下さい。
一人でも灯かりと灯せばそれは隅を照らす光であっても、全体を照らす灯かりの第一歩になるのです。

(この言葉をネットで検索、調べてみました)
それはたとえ一本のロウソクでも身の周りを照らせば明るくなる、それを万人が照らせば「万照」、悉く世界を照らせば「遍照」というものだ。全ての始まりは常に小さなところからだ。言い換えれば個が、個の行動が、そして想像力がいかに大切なものであるかということが云える。個とは自分、ロウソクに例えれば世の隅をわずかだが照らしている。まずは身近なところから第一歩を。

2人目(最後)の質問、要約。
春山先生の講演会の中で、医師会の力の大きさを感じたが、医療制度について、今も力を持っているのは医師会でしょうか。
たとえば、どういう立場におられる方が力を持っているのでしょうか。

春山氏の答え。要約。
医師会は以前のような力を持っていません。
力を持っているとすれば、官僚でしょう。それ以上に力を持ち、動かしているのはマスコミかもしれません。
本日もマスコミの方々がたくさんいらっしゃてます。
きちんと正しい報道をして下さい。「後期高齢者医療制度」 のバッシングもそろそろ下火になる頃だと思いますが、マスコミの力は大きく、悪質な報道の仕方、例えば、先の巣鴨の老人を扇動するような質問には呆れるばかりです。

櫻井氏の言葉。
マスコミの批判をされるにでしたら、マスコミの一端を担います私からもヒトコト言わせていただきましょう。
偏重するような報道は抑制するべきだと考えています。
「後期高齢者医療制度」 については、、マスコミの仕事として、
私は、今回、数回に渡って、高い理想の御旗を掲げて、『週刊新潮』 に連載を開始致します。
どうか、買って下さいね。(笑)


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今回、講演会に参加して、初めて知ったことや、論理立てて考えることの重要性を感じましたが、
この講演会は、社会を憂う集会ではなく(当たり前です!)、
あくまでも、ビジネス(そろばん)として、春山氏の事業の説明であり、
友人として櫻井氏が参加したという講演会です。
ですから、やはり、櫻井さん見たさで参加した私には、なんだか物足りない内容となってしまいました。

春山氏の頭には、介護の担い手としての人材不足を補うために、
鎖国のような状態から脱すること。外国から人を受け入れることの重要性が説かれました。
ですが、それは、目先のことであり、今は確かに(外国からすれば)高額の報酬が目的でインドネシアから日本に来たとしても、
将来的に需要が高まれば、(ガソリンなどの輸入品同様に)賃金も上がることが考えられるからです。
はたして、日本人でなく外国人に頼る構造になったとすれば、日本人の若者はますます劣悪な職場でした働けなくなってしまいます。
もちろん、安定した職場には、高学歴でコネやツテの有る方は入れると思います。
ですが、そういうモノを持たない若者とか、そういうモノを使いたくない若者はどうなるのでしょうか。
また、移民とは、介護に来られる質の高い人ばかりとは限りません。
質の低い方の移民、犯罪率増加のも問題も考えなければならないでしょう。
「生活保護世帯」 も増加するかもしれません。
そうなると、保険料も納めず、生活保護の申請許可により生活の安定を保証された人の方が、
国民年金を捻出しながら支払っている人が受け取る年金額よりも多く受け取るという摩訶不思議な現象さえ起こってくるようです。
それが、移民後7年とかで(もっと短くなり)日本人になったとしたら、受け取る方々は間違いなく増える気がしてなりません。
輸出入で生活を立てている日本ゆえに、
日本人としてのアイデンティティーは、意識しなければ危うくなるばかりだと思うのです。
私の不安は消えるどころか、余計に増えた気が致します。

マスコミの報道の話。
それは、ネットをしていれば真実に近いことや違う考え知ることも可能ですが、
マスコミを動かしている裏の(?)存在についてまで明らかにならねば、何も変わらない気もします。
(知っても何も出来ないかもしれません。だからと言って、逃げるのもダメですが…)

政治は分からぬと論語を引用するよりも、
また、努力の大切さを難しい言葉で引用するよりも、
庶民の立場に立った目線と志の高さが必要な気も致します。
(高いトコロ目線での説明では分からない場合あります)
医療関係者でも、マスコミ関係者でも、実力者でも無い我が身。
折角、ありがたいお話をお伺いしたというのに、
ジタバタと、不安になってしまう日々が解消されることは無かったです。

最後におっしゃった言葉、
「一灯照隅」 を大切に、自らを照らすことから始めて、日本中に灯かりが点ることを願っています。



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コメント 4

reiko

元気あん、おはようございます。

流石=!桜井よし子女史は、
小気味いい、的を得たご回答ですね

私も、思わず~元気さんのように・・・パチパチ・・・♪♪♪


文中から~元気さんの歯切れのいい言葉も聞こえてくるようです。(ニコッ)


by reiko (2008-06-28 11:14) 

元気

はい。おはようございます。
(と、こんにちは。になってしまいました)

出かけようと思っていたのに、(少しだけと)PCを開いて… つい、遅くなってしまいました。
もう、出かけるのを止めました。
予定とは、ジムで踊る(ヒップホップ)予定だっただけなので… (笑)
ですが、急いでいるときには、PCは開いてはいけません。(自戒)

「歯切れいい言葉」
それが、たどたどしい言葉で… 恥ずかしい限りです。

場違いな質問かとも思いましたが、聞いてみたい衝動に抗えませんでした。
きちんと答えて下さった両氏に感謝したいと思います。

「元気あん」 このまま残して下さいね。
とっても柔らかい言葉で、私は、とっても気に入っているんですから。
(おそらく、タイピングミスでしょうが…)
文意を違えるほどのタイピングミスで無い限り、私ほ放置した方が良いかもと考えています。
それほど、急いで更新した証拠と、ご愛嬌と、なんだかホッとするからです。

by 元気 (2008-06-28 12:12) 

reiko

元気さん、今晩は。

あらら~~「元気あん」は、ないですね。

失礼致しました~。(ペコリ・・・)
by reiko (2008-06-29 04:43) 

元気

この対談は、医療関係者の生き残りを目指すための講演です。
櫻井氏が参加するということから、集客力も得た講演だったと思います。
私も櫻井氏ということで参加させていただいた一人です。

後期高齢者医療制度、国民皆医療制度…
講演に行かなければ知らないまま、考えることもしないままだったと思えば、
どれほど、この講演会に参加することが有益だったか計り知れません。

ただ、心して置かねばならないことは、講演会の後、即座に個人相談の受付を始めていたことから明らかなように、
あくまでも、この講演はビジネスの一環だということです。
ビジネスとはボランティアではありません。
利益を上げるということが目的であり、将来に渡っての考えだとか2階建て部分を払えない方についてはお客ですらないという事実が有るのです。
2階建て部分のサービスを提供することで、医療界での生き残りを模索する医療関係者。
2階建て部分のサービスを対価を支払って得ようとする利用者。
それは、本当に自己責任の仕組みであり、義務(支払い)をせずに権利(サービス)を主張することは卑しいと言われれば、本当にその通りなのですが、
だからこそ、そこに抜け落ちているモノを見落としてはいけないと思うのです。

それは、本来、国がすべきことなのです。
営利を追求する団体としての民間企業を超えた政策を考え、施策せねばならないことなのです。
ですから、春山氏や団体を批判することはオカドチガイも甚だしいと充分承知しておりますが、
承知しておりますが、それでも書かねばいられないことがあります。

移民鎖国と言われました。はたして、そうでしょうか。
かつての(長崎出島の)鎖国ですら輸入されるモノで潤った人々がいたはずです。
莫大な財を残した者はいたはずです。
開国され、おびただしい量の輸入品が流入し、おびただしい量の輸出がされ、財をなした人々と、変らぬ生活をする人々と、以前に増して貧困にあえぐ人が出たはずです。
エントロピーの法則というのがあります。
エネルギーの量は一定だという法則ですが、財産も同じだと思います。
流動する財産も一定だと思うのです。

どこかで潤えば、どこかで不利益を被る人がいるのではないか。
私は、そう思います。
働いても暮らしが豊かにならないワーキングプアの人々。
それらの人々を自己責任と言い切って切り捨てることは、あまりに乱暴で、あまりに、「木を見て森を見ない」 ことだと思います。

移民の危険性というのは、今居る日本人(ワーキングプア)の人々を切り捨てることになると考えています。
それを自己責任というならば、確かにそうでしょう。
ですが、ならば、国が責任を放棄しているとしか思えない。
移民を模索する前に、ワーキングプアに甘んじるしか無い日本国民に職を提供するべきです。
日本の人口が増えることが日本の豊かさの象徴ではありません。
人口だけが増え続けた国がどういう国か… 世界を見れば明らかだからです。
今こそ、日本人は、従順で素直な国民、自己批判を旨とする国民から真に目覚めねばならない時期が来たように思います。
昨今の忌わしい事件は日本国民に対しての警鐘です。
こんな忌わしい酷い事件が多発する国をこのままにしてはいけません。

若者が未来を夢見ることの出来る国。
日本人が誇りに思う国。
そんな美しい国つくりを、今こそ考えないといけないのではないでしょうか。


by 元気 (2008-07-06 10:23) 

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