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ブラインドネス [映画]

PG-12 の作品です。
12歳未満の子どもは、成人保護者同伴で見てください。(と、いう意味らしい)
R15でもオススメしません。更にR18でも、大人でもオススメしません。
どうしても観たいなら、映画館で観なくて良いと思います。
人の悪意や残虐性を好む方。映像に快楽を感じる方(自虐的な方含む)なら…
私は、余計に観て欲しくないと思いました。

私が(あくまで私が、です)映画館で観たい映画は、
スケールがデカイ。スペクタルで、映像が綺麗な映画。感動や発見のある映画です。
残虐なシーン、性的なシーンが有っても、リアルさを伝えるためであれば、整合性と説得力を持つと思うのです。
唐突に始まり、唐突に終わる。そこに何の整合性も必然性もない。
有るのは、人の悪意と残虐さ。エゴ。
そんな映画なら、映画館で観なくても良いと、思うのです。
映画館という公衆の場で、多くの他人と一緒に観る必然性もないし、
共感もしにくいし、後ろめたさや、気まずさしか生まないからです。
ましてや、未成年者(12歳未満なんてとんでもない!)となんて一緒に観れない。
それは、解説も整合性も… 伝えるコトバが見付からないからです。

『バベル』 は、一発の銃声から始まって、一応の解決をみる映画でした。
『ミスト』 は、霧が恐怖の世界を描き、解明と解決は明らかにされる映画でした。
http://muumintani-irasyai.blog.so-net.ne.jp/2008-05-26


『アイ・アム・レジェンド』 は、唐突に世界で一人生き残った男が、実は、一人でなかった話でした。
『ハプニング』 は、唐突に風が吹いて、自殺衝動が連鎖する映画で、人間への警鐘のようでした。
http://muumintani-irasyai.blog.so-net.ne.jp/2008-07-27-1
さて、『ブラインドネス』 で、表現したかったのは何なのでしょうか?

P1040724.JPGP1040726.JPG
P1040725.JPG パンフ:900円(もします!)


以下、ネタバレ注意!
観ていない方は、読まないことをオススメします。





『ブラインドネス』 は、唐突に失明が広がる映画で、なぜか失明しない女性を中心とした人間の生存をかけての映画でした。
観ていると『ドッグウィル』 で感じた悪意の果てしなさ。絶望感を彷彿とさせられる映画でした。
日本人の男性が一人目の発病者で、突然に発病。ラストでの突然の回復。
発病(病かどうかも不明)も、回復も解明されず、人のエゴも優しさも何もかもが混沌としたままです。
観る者に丸投げで放置してしまう映画です。
観る者に委ねるというより、原作者が答えを持っていないように感じました。
宇宙人やバイオハザードが原因でも、まだ納得出来ます。
賛否があっても、そこには一応の顛末(答え)があるからです。
この映画で表したかったのは、一体何なのでしょう。
私には、人間や社会に対する不信と絶望。そんな感情の伝達のような気がしました。

そして、パンフにも載っているのですが、
原作には続編があるそうです。(下にあらすじを転記しときます)

あらすじ
世界をパニックに陥れた不可思議な失明病から4年が過ぎた。
この国の首都である同じ街で立法議会選挙がおこなわれた。
ところが開票してみると83%が白票という結果だった。
この国には保守、中道、革新と政党が三つあるが、どの党も得票は激減していた。
要するに政党と政府の関係しか有効票を投じなかったのである。
議員を選べなかった政府は、民主主義を守るためと称して首相の号令により非常事態を宣言。
行政機能を街の外に移転して首都を封鎖した。
続けて起きた駅爆破事件も政府による揺さぶりらしい。
だが、どんなに圧力をかけても、市民達は平穏に暮らし続けた。
そんな折、焦燥の色を深める政府首脳のもとに一通の密告状が舞い込んだ。
「白票投票事件の首謀者は、”医者の妻”だ」
というのだ。
政府はただちに3人の刑事を潜入させて調査にあたらせた…。
視力を持ちながらも盲目である状況を生み出し、わたしたちに冷厳な現実を再認識させている。

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原作は、98年に作家としてノーベル文学賞を受賞した ジョセ・サラマーゴ。
そういえば、1994年に大江健三郎氏。受賞していましたね。
よく分からないです。
映画の主旨もノーベル賞の基準も。[ふらふら]


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hash

初めまして、こんにちは。
私も映画には娯楽性を求めるので、この作品は評価できません。
映画好きなら、観て損はないですが、一生観なくても問題ない作品だと思いました。
by hash (2008-12-20 18:09) 

元気

hashさん、こんばんは。
やっぱり、楽しいのが良いですね。

重いテーマを描くなら、裏づけと方向性をしっかりと組み立てないと、辛いだけの作品になってしまいます。
伊勢谷さんと木村佳乃さん、今風の日本人として描いているつもりなのでしょうが、
日本人としては、少し違和感が否めません。
身びいきとの誹りもあるでしょうが、翻弄されるだけでなく、日本人なら建設的で流されずに静かな対応が出来たのでないか…
そんな描き方をして欲しかったです。(あくまで、希望です)
素晴らしい演技はのですが、(ストーリーは)人として足りていない感じがしました。


by 元気 (2008-12-21 00:48) 

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