SSブログ

トーベ・ヤンソンとムーミン。そして、私。 [エッセー]

 P1030707.JPG

風刺雑誌 「ガルム」 表紙挿絵
 (真実を守り、偽りに吠えるガルム犬:冥界の番犬)

以前、記事にもしているのですが、ムーミンというキャラクターは独特です。
「ムーミン谷の素敵な仲間たち展」
http://muumintani-irasyai.blog.so-net.ne.jp/2008-10-23-3

ムーミン谷という場所には、色々な人々が暮らしています。
学校が無いから試験も何にもありません(オバケの世界と同じか?)。
戦争も政治家も税金もありません。
皆が仲良く暮らしていますが、問題を抱えていない人はいません。
寂しくなったらムーミン屋敷を訪れ、ママの焼いたパンケーキを食べ、お茶やジュースをいただきます。
パパの冒険の話を聞いたり、ママに話を聞いてもらったり…
ムーミンとスノークのお嬢さん(フローレンあるいは、ノンノン)は恋人だし、
スニフやスナフキン、ミィは、気の置けない仲間です。
季節はめぐり、色々な出来事が起きますが、それを皆で楽しむ。
それが、トーベ・ヤンソンのムーミンの世界です。

トーベ・ヤンソンは、スターリンやヒットラーの活躍していた時代を経験しています。
戦争は、絵を描くこと等の芸術活動を圧迫します。生活が振り回されることを嫌悪します。
戦火が吹き荒れる時代に、風刺画を書くことで情報を発信した女性がトーベなのです。
スターリンやヒットラーの風刺画も描いています。
そんな風刺画を描いていく中で生まれたのが、ムーミン・トロールでした。
陶器製の暖炉に住むトロール。風刺画の片隅に描かれたキャラクター。
そんな小さなキャラクターが世界中の人々に愛されるキャラクターとなるのは、
トーベの深い洞察力に富んだ原作(ムーミンシリーズ)のおかげなのです。

○駄目なことは駄目という強い意志。
○お金や名誉に振り回されない心の豊かさ。
○自分の心を冷静に見つめる目。
○今あるものに対する深い愛情と慈しみ。

それらが、トーベの作品の中に芯のように通っています。

政治のことを考えるのは、面倒で憂鬱なことです。
法律も税金も選挙も… 生活との繋がり、明白には分かりません。
しかし、分からないから、難しいからと、他人任せにするわけにはいかないのです。
それは、私たちは、トーベの描いた理想郷のようなムーミン谷に住んでいるのではないからです。

モノを買えば代金を払い、サービスを受けても代金を払います。
国に所属していますから、税金を払い、サービスを受けます。
大勢で暮らしていますから、法律を守り、法律で守ってもらいます。
国内には、警察や消防、病院や学校、交通機関… 色々な施設があります。
社会人として働き、対価をいただき、支払いをします。

さて、外国から人が攻めて来たらどうするのでしょうか。
豊かな暮らしは乱され、命も奪われるかも知れません。
大切な人が傷つけられるかも知れません。
「戦争には反対です。私は、他国を侵略しません」
そう宣言すれば、安全は保障してもらえるのでしょうか?
誰も攻めて来ず、平和が保たれるでしょうか?

日本の周辺の国を考えてみましょう。
韓国と北朝鮮は38度線で分かたれています。
北朝鮮は、将軍様の独裁国家です。将軍様の意に背けば命は無くなります。
厳しい寒さと飢餓の中で、多くの国民が飢え、生活に苦しんでいます。
中国はどうでしょう。沢山の民族と国民を抱える国です。
その広い国土と国民を統制するためには、近隣諸国への援助の名目での資源確保が不可欠です。
他国に進出するには、豊富な人材と日本からの援助が不可欠です。
チベット侵攻には、(内政問題と突き放すことで)日本も(資金面で)関わったこと、否定できません。
韓国も北朝鮮も中国も、それからロシアも… 多大な負債と国内問題を抱えています。
さて、それらの国から見える位置にある日本という国はどうでしょう。

なんだか、日本国民は、ノーテンキです。
生活に苦しくて、餓死したり、働き過ぎて過労死したり、会社や学校、地域でイジメもありますが、
自分の身に降りかからぬ限りは、ノーテンキです。
ヒキコモリと称する、閉じこもりをしても、飢えで死ぬことはありません。
食事は家族が用意してくれますし、教師も友達も気に掛けてくれるかもしれません。
「蟹工船」 という本が、今の時代とカブルとか言われ持てはやされていますが、
どれほど方が、この本をお読みになったのか…
とんでもないことです。今の日本は、豊かで平和な国です。本当に良い国です。

人権が保障されていますから、生活できなければ生活保護という社会保障も受けることが出来ます。
その支給額は、20歳以上の方なら誰もが加入が義務付けられている国民年金を払い続けて受け取る金額よりも多いのです。
真面目に働いて、納めるよりも、納めず貯めず働か(け)ずで受け取る金額との逆転は、未来に夢を描けぬ世代を生み出すことになるかもしれません。
実際に、フリーターやニート、ホームレスやネットカフェ難民…
色々な社会の問題を生み出す気配が見えています。
働きたくても職がない。
さて、職(仕事)は、いったいどこに行ったのでしょう。
色々な仕事は能率化され、人員削減が行われました。
色々な仕事が人件費の安い国外に発注されました。
製造業だけでなく、サービス業、管理職さえ国外に求めるようになっています。
それは、直近の利益を追求したからです。お金儲け。それが企業も求めるものだからです。

さらには、外国から日本に沢山の労働者が押し寄せて来ています。
物価の安い貧しい国、仕事のない国では、日本で働くことは、大金を稼ぐ手段となるからです。
外国に仕事を依頼するだけでなく、外国から日本に来て仕事をする。市場が日本にあるからです。
日本は、外国からの留学生を呼ぶことに巨額の税金を投入しています。
優秀な留学生なしには、日本の大学は成り立たないと豪語するほど期待しています。
沢山の人が日本に来て暮らすことになりました。
また、外国には、旅行やビジネスで沢山の日本人も行くことになりました。
異文化コミュニケーションの結果、異性と接触する機会も増えました。
家庭を持っている同士の接触、結婚を前提としない接触… 色々な接触が増えました。
妊娠するというケースも増えています。
日本に来た外国人には、帰国の義務があります。期限があり、帰らねばならないときが来ます。
その時に、子どもが出来ていたらどうするのでしょう。
帰国したくない状況になっていたらどうするのでしょう。
日本に居たいという権利が優先されるのでしょうか?
自国での暮らしが厳しいから日本で生活をしていた外国人。
外国人が日本人となり生活することは可能です。
また、外国人のまま、日本の社会保障を得る手段もあるそうです。
さらに、外国人のまま、選挙権を得ることも人権を下に要求しようという気配もあります。
さらに、帰国の義務のない外国人もいます。彼らは既に日本人と同じ社会保障も受けています。
そして、いまや、彼らに無いのは、選挙権だけなのです。

非常に厳しい経済状況にある国から人が日本に押し寄せて来ています。
日本政府は、日本人の少子化傾向を逆手に取って、大量の移民を実施しようとしています。

国籍法の改正。(2009.1.1施行予定)
人身取引防止及び被害者保護に関する法律案、
永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権の付与に関する法律案、
国立国会図書館法の一部を改正する法律案

日本は、本当に危機に瀕しています。
楽しいテレビドラマや映画、音楽、スポーツ…
それらのことを楽しむのはおおいに結構なことです。
今の生活を楽しむことは権利です。誰に妨げられることでもありません。
ですが、これからも、この平和を、楽しみを維持したいとお考えなら…

やはり、今の日本の状況と将来を考える時期であると考えます。

○駄目なことは駄目という強い意志。
○お金や名誉に振り回されない心の豊かさ。
○自分の心を冷静に見つめる目。
○今あるものに対する深い愛情と慈しみ。

トーベ・ヤンソンの目は、日本人にも必要なものです。
ムーミンが大好きな私。
だからこそ、トーベの目を皆さんにも持って欲しいと願っております。
そして、私自身も磨きたいと思っています。



nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 4

まご

ムーミンって深い話だったんですね。
幼少のころのアニメのイメージで止まってました。
図書館で借りて読んでみます。

改めて、日本を守りたい気持ちが強くなりました。

by まご (2008-12-15 23:12) 

元気

ナイスとコメントをありがとうございます。

>図書館で借りて読んでみます

はい。ぜひ、原作を読んでみて下さい。
読むたびに発見がある不思議な本です。

>改めて、日本を守りたい気持ちが強くなりました。

日本は、とても素晴らしい国です。
そして何より我々日本人が生まれ育った国なのですよね。
ご先祖様も眠っておられます。

神代の時代から森羅万象を尊び、路傍の石にすら神秘を見い出した国です。
だからこそ、他国を侵略し奴隷とした歴史のない国なのです。
歴史を知らずに未来は描けません。
歴史(自分の何たるか)を知らずに誇りを持つことは困難です。
日本人は、歴史を知ることからやり直さなければ再生は難しいと思います。
そして、歴史を守ることは、国防の一貫です。(とっても重要!)
歴史を知らぬから誇りを持てず、モラルも衰退するのです。
国籍法の改正は、日本人の根幹さえ危うくする改正です。
(注:DNAの問題ではありません)

日本を守る=国防 ですよね。
歴史を塗り替え、日本人をすりかえる。
ヤバイです。よね。

by 元気 (2008-12-16 00:22) 

トスカ

これは難しい話です。
まず、政治との関わり方について。
トーマス・マンというノーベル賞作家は「自分は政治について関わりを持たないようにしてきたが、気がついたら亡命しなくてはいけなくなっていた。」と反省を述べています。政治と無関係でいるというのは不可能なのです。
日本の就職難について。いや、実は日本は人手が足りなくて困っているのです。農業、漁業、医療、介護・・・どれも大変困っています。そういう一面もあったりするのです。
経団連の一千万移民計画がいよいよ浮上してきました。その一方で、ブラジル人の派遣を全解雇って・・・意味わからんww
by トスカ (2008-12-20 01:23) 

元気

トスカさん、ナイスとコメントをありがとうございます。

>政治と無関係でいるというのは不可能なのです。

そうですね。政治とは、政(まつりごと)を治めるですものね。
国に所属し、選挙権を持つということは… 
無関係でいるということは、無責任でいるということとイコールであると思います。

>実は日本は人手が足りなくて困っているのです

そうですよね。
そういった専門の知識や過酷な労働に見合う報酬が得られるか。
労働に喜びを見い出せるか。と、無関係ではないですよね。
安易に、労働力を安価に提供してくれる国に求める危うさを思わずにはいられません。

>その一方で、ブラジル人の派遣を全解雇って・・・

日本人の派遣労働者も解雇に拍車がかかっています。
正社員もリストラされ、会社の倒産も相次いでいます。
それらの収入のない方々を国が抱えていくと…
労働に意欲が湧かない人々を量産していくことに繋がりかねません。
日本に住むといることは、日本の社会が(人権の名のもとに)保障せねばなりません。
日本崩壊へのカウントダウンが始まっているのかもしれませんね。
パラサイトが増えると… ヤバイですよね。

政治の無策というより、無責任の極みだと思います。
by 元気 (2008-12-20 02:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。