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『闇の子供たち』 [読書]

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梁 石日氏の作品。初めて読みました。
正直、とっても読みにくかったです。
もしかしたら、文学的な作品では無いのかも知れません。

主人公が誰なのか、何が言いたいのか…
話の展開と意図がはっきりしないことが原因なのかも知れません。
読み手に委ねているのかも知れません。
が、委ねられても… はっきり言って、困ってしまいます。ごめんなさい。

   [かわいい]   [かわいい]   [かわいい]   [かわいい]   [かわいい]

色々な人々が登場します。
それぞれの生きるために事情で売春や臓器売買をしているようです。
舞台は、タイ。
主人公(?)は、複数。
ドキュメントの形をとっているのか、物語の形をとっているのか… 不明です。
ドキュメントなら、その背景に裏づけが必要でしょうし、
物語なら、そのリアル表現に筆者の性癖を想像してしまうのは… 偏見でしょうか。

まず、題名。『闇の子供たち』
”供” という漢字を使用することに、まず違和感。
フェミってるわけでは有りませんが、一時騒がれてた漢字です。
大人の従属物ではありませんので、”子ども” と表記するのが正しいのです。

以下、ネタバレ、辛口批評となります。
お嫌な方はお読みになりませんよう。




まず、この本に登場する日本人が… いかにも、です。
何か危険を察知すれば、日本大使館に逃げ込んでいます。
人権を声高に主張するけれど、それは、日本という経済大国の庇護の上で、なのです。
そして、日本の経済発展は、タイ(等発展途上国)の犠牲の上に成り立っていると主張する。
人権に酔って、どんなに危険な行動をしようと、彼らの庇護は、日本国がせねばならないのです。
それは、税金であり、血税です。
そんなに日本がイヤなら、タイ人になれば宜しいのです。

まず、話のクライマックスから気になる言葉を見てみましょう。

○「豚や牛は捨てるところがないと言いますが、人間も捨てるところがないですね」
 書類を読んでいたチューンは、いまさらのように驚いた。

チューンは博識ですね。書類も読めるようです。どこで教育を受けたのでしょうか?
残念ながら、チューンの悲惨な生い立ちのみで、それを裏付ける場面はありませんでした。
どうやら、心臓と臓器、骨や皮や目は実験用としてアメリカに送られるそうです。
8歳のセンラーという少女が売春させられた上に、生きたまま殺され、売買されるそうです。
その心臓は、日本人の男の子に提供されました。
タイでは、心臓含む臓器移植が盛んだそうです。(本当なの?)
日本人が臓器移植を受けた場合、その臓器が誰のもので、どういう経路で移植されたものか…
倫理的に、物語(フィクション)では済まされない問題を含むと思います。
ようするに、物語では済まない問題を含むということです。
しかし、読んでノンフィクション(事実)と誤解される方も多いのでは?

○「警察署の署長から電話があって、日本人には手荒なことをするなと言って来た。
  日本人観光客が減ると困ると官公庁長官が怒っているらしい。
  政府は日本から莫大な借金をしているし、日本人観光客は金を落としてくれるから、
  手が出せないというわけだ。
  だが、連中がおかしな真似をしたときは、もう一度焼きを入れてやれ。
  日本人は戦争中、この国でさんざん悪事を働いたんだ。
  冗談じゃなねえ。舐めやがって!」
  
上の言葉は、60歳前後のソムキャットという児童買春宿のボスの言葉です。
おかしくないですか?
随分と、作者の受けた教育をタイ人のボスに反映させているようです。

そして、本当に物語のクライマックスシーン。
全国統一大行進が暴動に発展し、タイでの活動が危ぶまれて帰国を促す新聞記者(南部浩行)に対して、
児童を保護する福祉センターのスタッフである音羽恵子はこんな風に思うのです。

○豪放磊落な男だと思っていた南部浩行の顔が急にエゴイズムの塊のように見えた。
 「君は所詮、この国では外国人なんだ」 という言葉を裏返せば、
 日本にいる外国人は所詮、日本人とは違うのだという排他的な感情にほかならなかった
 南部浩行にとって、この国のことは無関係だったのだ。

おそらく、筆者は、このこと(太字部分)を言いたかったのだと思います。
タイでのリアルな売買春も臓器売買も… 実は、かくれみの。
日本を批判したかったのではないでしょうか。

外国に来て、外国の政治システムに口を出す。貧困にあえぐ人々を救おうとする。
外国人が救えることは、対処療法にしかならないのは、明らかです。
政治のシステムを変えようとすれば革命を起すしかない。
救いたい人は、タイ以外の国にもいっぱい居るはずです。
自分の生まれ故郷である日本ではどうなのでしょうか?
救われない子ども達はいませんか?
なぜ、自分の目の前のハエを追い払えない人間が、外国まで行って革命を望むのでしょう。
その理由が、日本が行っている政策のために犠牲になっているタイの児童を救うため?
なんだか、私には、無理が有りすぎて、文章同様、整合性に欠けているようにしか思えません。

この本(文庫本)の解説は、永江朗氏が書いておられます。
私は、氏がどんな方なのか、梁 石日氏同様存じません。
ですが、氏が書かれることは過激です。日本に対する恨みや反感に満ちています。

○アジア各国や東ヨーロッパ、あるいは地球の裏側のブラジルやコロンビアから、
 大勢の人々が働きに来るようになった。
 彼らを見る日本人の視線には侮蔑が込められていた。
 彼らが貧しいのは彼らが怠け者であるからであり、彼ら自身のせいなのだ。と。

○梁 石日が描いていることは、けっして虚構でもなければ誇張でもない。

○本書において梁 石日は、幼児売春の現場を過激なほどグロテスクに描く。
 思わず目を背けたくなる読者も少なくないだろう。だがこれは現実だ。
 憎むべきは山岳民族から幼女を買い受ける都市の男たちだけでなく、
 この絶対的貧困を温存し、温存することで自らの豊かな社会を保っている私たち自身なのだ。

○在日外国人は、日本人でないというそのことによって、日本社会の中では特殊な存在である。
 特殊な存在として、特殊なメンタリティーで生きている。

○梁 石日がこのような小説を書くことができるのは、彼が在日外国人として生きて来たからにほかならない。
 アジアの現実は他人事ではない。それが日本国内における外国人の現実が他人事でないのと同じように。
 幼児買春も、児童ポルノも臓器売買も、政治腐敗も、貧困も、抑圧も、すべてが私たち、
 いや、私自身の問題なのだ。

そうでしたか。
やっぱり。
あなた自身の問題でしたか。
なら、さっさと、解決されるとよろしかろうと存じます。
さっさと、母国にお帰り下さいませ。
日本国に居座り、様々な権利を主張し、国籍はそのままで参政権まで要求される。
そのことの傲慢さこそを恥じるべきではないでしょうか。
愛する母国で兵役に服し、母国の土に返って下さい。

日本を母国として愛される方は、どうか帰化なさり、
母国日本の土となるよう、自分に恥じない人生を送るべきと存じます。

はっきり言います。
日本国の庇護を求め、権利を主張しながら、日本を軽んじ、誇りと思えない方には、
嫌な日本から退去されることをオススメ致します。

私は、日本で生まれ日本で育ちました。
平和ボケと言われようが、そんな日本が大好きです。
日本を愛するゆえに、日本を良くしたいと考えています。
日本を貶め、ゆすりたかりをされる方々を必要とは考えていませんし、
そんな甘えた方々を認めるほど、寛容ではありません。

と、なんだかなぁ… な、本だったわけです。
と、時間の許す方々は、一度読まれてはいかがでしょうか?




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コメント 4

まご

あけましておめでとうございますー。

これはあれですね。例の日本ユニセフ推奨のw
『血と骨』の作者ですね。
あの作品も描写がすさまじかったです。
正直、嫌悪感を持ちました。

で、この作品ですが、読んでません。
某所でレビューを読んで、「読むときっと怒りでいっぱいになってしまう…」とスルーしていました。
心臓移植云々は、おそらく無理があるとのこと。
あちらでは心臓移植外科医はスーパーエリート。
その地位を棒に振る危険を冒してまで、闇移植にかかわるようなマネをするかどうか…。
現実はどうなんでしょうね。

よくあるコピペを見る限り、自称地球市民の方々は、私達こそが真に日本に住む権利を持つ人間だ、日本人出て行けとおっしゃられていますからねえ。
自分を恥ることなんてあるんでしょうかね。
できれば、祖国から強制的に帰れコールがかからないかしら…と妄想していますw
by まご (2009-01-06 20:22) 

元気

まごさん、お久しぶりです。(笑)

今年もよろしくお願い致します。m(__)m

>例の日本ユニセフ推奨のw『血と骨』の作者ですね。

ユニセフが推奨してるの? 
人権関係は、まずは、疑ってかかった方が良さそうですね。
政治的な意図が無いか。いやだなぁ…

隠し切れないモノってあります。(太字部分)
やっぱり出てきてしまう。で、疑問が湧く。
それは、思考が稚拙だからだと思います。
その稚拙なモノのワナにカカルなら… あまりに無防備。安易。
けれど、日本社会におけるマスコミと大衆の関係と同じかも。
疑う。というアタリマエが抜け落ちているのも同じかも。

(目の前のハエである)拉致問題こそ真剣に取り組んで欲しいです。

さて、タイが舞台の話なんですが…
何故、タイなんでしょうね。不思議です。
国王の存在かしらん。(天皇家と密接な関係と関係?)

(状況は)どちらかというと、カンボジアでは?
タイにした理由あるはずです。

日本人は、基本的に外国人に親切です。
「侮蔑が込められている」 と記述されていることが理解出来ません。
侮蔑されるようなことをすれば侮蔑されるのは、国籍とは無関係です。
侮蔑されぬように、周りへの気遣いが必要なことは常識です。
日本に住むなら、誠実さが必要です。
ワガママで、不誠実なら… 尊敬されません。
それを差別と声高におっしゃられても… 困ってしまいます。
(外国人だからと)見過ごせない、許してはいけないことです。
毅然とした態度を示したいです。
自国民(の歴史と将来)を守るために。



by 元気 (2009-01-06 23:02) 

まご

こんにちは。

ご存知かもしれませんが、ユニセフと日本ユニセフは全く別物です。
ユニセフ親善大使は、黒柳徹子さん。こちらが本当のユニセフ。

日本ユニセフは、アグネス・チャンがやってるほうの、ただのユニセフの一協力団体です。ユニセフの下部団体ではないのです。
あの毎日新聞の社長も役員をやってます。
毎日新聞の英字新聞記事の件で、日本ユニセフが何も抗議しなかったために騒動になってますねw
児童ポルノ関連でアニメ・漫画規制を推進してるのも、日本ユニセフです。
その一環で、この本原作の映画を推薦しているようです。

しかし、タイ国内での無許可の撮影と、あまりにもタイの現実とかけ離れた内容であるため、バンコク映画祭では上映中止(笑)
タイもとんだとばっちりですね。
おっしゃられるように、舞台をタイにした理由が何かあるのかもしれませんね。鋭いです。

by まご (2009-01-07 11:09) 

元気

まごさん、コメント、本当に感謝感謝です。

>ご存知かもしれませんが、ユニセフと日本ユニセフは全く別物です

全く存じません。
ていうか、(どうせ怪しい組織だろうと)知ろうとしていませんでした。

宗教、教育、NGO、人権… さまざまな団体。
なんだか、モゾモゾしてしまいます。(気味が悪い)
組織の運営のためには、必ず汚い利害が関わるからです。
だから、美談とか聞くと… (その話で誰がトクするのか考えて)
思わず顔をしかめてしまうので、(夫に)ヒネクレモノと怒られてます。
だって、怪しいんですもの。

とにかく、日本では、拉致被害者対策が最重要なはずです。
国防が犯され、人権が侵害されている(継続中)のに、
熱心でない団体は、まず、信じられません。
(どのような取り組みをしているかで)組織の実態や姿勢が浮き彫りになるのでは?

それから、
フィクションなら特に、リアルな表現は必要としないはずです。
なのに、本当に執拗なリアルな表現。
これは… 性癖です。
書くことで何らかの気持ち良さ(悪さ)を味わっているのではないか…
読み手に、味わわせることが目的でないか…
だから、リアルさに重点を置く分、物語の展開や整合性は粗いのです。
だから、この手のリアルな描写が有る場合、物語の展開の中で、その必然性を考えます。
殆どは、収益(話題)を得るためにセンセーショナルな表現をしていると思います。
どんなに有名な出演者を配しても。ダマサレテはいけません。(笑)
なぜなら、この手の作品は、娯楽では無いはずだからです。

>タイ国内での無許可の撮影と、あまりにもタイの現実とかけ離れた内容であるため、バンコク映画祭では上映中止(笑)
タイもとんだとばっちりですね。

日本の恥です。

by 元気 (2009-01-07 15:40) 

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