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(現場2)軋む暮らしの安心 「切り捨てられるのか」 [ニュース☆ヾ 何じゃらホイ?]

争点の現場(2)
 軋む暮らしの安心「切り捨てられるのか」  (2009.8.20 産経)
民営化で一番変わったのは、局の仕事が分社化で分断され、
互いの業務に全くかかわれなくなったことだ

この地区の局長を務めた今井豊治(62)はこう語る。
一昨年10月、民営化で郵便局は郵便、保険、貯金と窓口業務の4つに分社化された。
同一局舎に間仕切りができ、職員は各担当業務を親会社からの指示で動く。
局員一丸で手分けしたり支え合うこともできなくなった。
両神地区は都心から100キロ圏内だが、新聞は郵便局まで届いた朝刊を郵便配達で届ける。
宅配業者は民営化後も新規参入がなく、かつては宅配業者までが郵便小包を頼りにしていた。
郵便配達員はそうした人里離れた奥地の一軒一軒の世帯を訪ね歩き、丹念に声を掛けて回る。
自治体の回覧板を隣家に届けるのも大切な仕事だった。
 その機能は分社化で完全に消滅した。
今井は「大変なことになった。こうした地域に生きる人たちは切り捨てられるのか」。
 都心部ではコンビニエンスストアとタイアップした新たな郵便局が生まれ、ビジネスモデルとして話題を集める。だが、その一方で両神地区と同様の地域が全国に500カ所以上ある。郵便局の激変と僻地の瓦解。
今井はやりきれぬ思いを覚える。

               ■ ■

彼らは郵便事業の将来をまじめに考えているのだろうか。
金融ばかりに目線を向けていないだろうか。
 埼玉県東松山市で局長を務める小川昌芳(55)もいらだっていた。
局舎で販売する新商品を提案しても本社の反応はいたって鈍いからだ。
仲間の局長たちは次々とやめた。
「やっぱり民営化の真の狙いは郵貯と簡保目当てだったのでは」。こんな思いが募る。

 日本の個人金融資産は総計で1500兆円といわれる。
このうち、郵便貯金が占めるのが222兆円。簡易保険は113兆円を占める。
米国流のマネー運用で高利回りを稼ぐ政府系ファンドは世界にあるが、総計で約300兆円。
外資系金融機関がのどから手が出るほど欲しい。
これが郵貯や簡保マネーだ。民間の手に委ね、外資参入に道を開く。
民営化はその第一歩だと小川は憂慮する。
 「郵貯も簡保も日本の庶民が額に汗流して地道に蓄えた、極めてまじめなお金だ。
マネーゲームの餌食にされたら…庶民の暮らしはどうなるのだろうか
運用がうまくいけば、巨額の富が転がり込む。
しかし、米国経済は迷走が続き、国力に深刻な打撃を被った国家もある。
地に足のつかないマネーゲームに庶民のささやかな蓄えを委ねていいか
郵貯や簡保資金の行方は、「国民生活を守ることではないか」。小川はそう思う。

               ■ ■

 小泉構造改革は「民間にできることは民間に」「官から民へ」のスローガンを掲げた。
郵政省の省益は縮小され、天下りや「郵政一家」と呼ばれたさまざまな既得権は整理された。
しかし、「さまざまな規制撤廃の背後にあるグローバルスタンダードなるものが、実は米国の利害にかなった新ルールにすぎず、日本人の暮らしを脅かし、国益を損なうのではないか」。
こんな疑問や批判も出ている。
 民主、国民新、社民の野党3党は郵政分社化を見直す公約を掲げる
一方の自民党内にも小泉路線への疑問はくすぶるが、構造改革が果たして日本人に幸せをもたらしたか。明確な総括はないままだ。

先の衆議院選挙で、『郵政民営化』 を選んだのは他ならぬ国民だったはず
マスコミもその選択を煽り、自民党が圧勝したという結果をどう考えるのか。
責任は、自民党にあり、有権者にないとでもいうのだろうか。
同様に、今回の衆議院選挙でも、『政権交代』 を選ぶのは国民だ。
選択の責任は有権者にある。
その被害を被るのも国民だ。
マスコミに煽られての選択だけは避けなければならないと思う。
選択については、責任を持たねばならない。
自身が選ばなかった選択であったとしても、多数が選択した結果は厳粛に受け止めねばならない。
厳粛に受け止めた上で、最善の策を模索せねばならない。
それが民主主義の原則だからだ。

『郵政民営化』 
民営化に向けて動き出したものをどうして簡単に戻すことが出来ると思うのは間違いだ。
さらに複雑に致命的になりかねない。

覆水盆に返らず。

『政権交代』 もそうだ。

選択の結果は、こんなはずではなかったと戻すことは出来ない。

外国の意のままのマスコミに踊らされ選択したとしても、
国民は、選択の責任を果たさねばならない。



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コメント 6

シルス

元気さん コメントいただきありがとうございましたm(_ _)m

郵政民営化の件は、ハトも毎回街頭演説で言ってますよね。
選んだ国民に対して、判断が間違っていた~だからうちを選べと言ってるわけですね(笑)
にしても、自分たちが選んだことを忘れている国民・・・。
これどうしましょうね?頭が痛くなってきます。

またお邪魔します。今後ともよろしくお願いします♪


by シルス (2009-08-23 18:56) 

plant

こんにちは。
郵政民営化にせよ、景気対策にせよ、多くの人がマクロな意味を全く理解しないままで短期的な効果を求めすぎていますね。
悪いことが起こるのは誰かの呪いのせいだ、というような話と大して変わりません。

また、「分社化で分断され」たから必要な仕事ができなくなった、などという元準公務員の甘えを見つめ直すためだけにでも、民営化という劇薬の意味があったのでは・・・。
by plant (2009-08-24 00:39) 

元気

シルスさん、 plant さん、コメントをありがとうございます。

民営化の意味。
見い出して、さらに発展させるしか手はありません。
劇薬です。
いつかは使わねばならぬ劇薬だったのかどうかは分かりませんが、使ってしまいました。
ならば、毒を出して、治癒に向かうようにせねばなりません。

毒を飲む前の状態には戻りません。戻す必要があるとも思いません。
けれど、抵抗力を付けて、復活するしかない。そう考えています。

現実を見据える必要があります。
今さら、毒を飲んだことを後悔しても仕方がありませんからね。
少しは懲りて、次からは、慎重になって欲しいものですが… (笑)
by 元気 (2009-08-24 01:07) 

元気

友愛や政権交代という呪文で、
で呪いが解ければ良いのですがね…

呪いでも天災でもなく、人災かも。
by 元気 (2009-08-24 01:10) 

たいせい

 会社の制度改革でもそうですが、慣れ親しんだシステムを変えた場合に不満の声を集めるのはそう難しいことではなく、郵政民営化の本当の評価が下るのはもうすこし先のことだと考えています。

 ただ仰るように郵政民営化を選択したのは私たち国民で、民主党も含めて国会の撫で協議したことによって決定したことでもあります。
 会社での意志決定の場合でしたら、例えその場で反対意見を言ったとしても一旦自らも参加した会議の場で決定したことに関して「俺は反対したから責任はない!」などというのは、みっともないことだと感じています。
(多数決で少数側だからといって、多数決そのものを否定したのでは意志決定など出来るものではありません。)
 問題はそんなでベルの話ではなく、今後どうすべきかではないのか?と感じ続けています。

 与野党共に如何に日本を素晴らしい国にするかという同心円の元で方法論について議論している当事者のはずなのに、野党には当事者意識が薄いと常々感じています。
by たいせい (2009-08-25 13:22) 

元気

たいせいさん、こんにちは。

>会社の制度改革でもそうですが、慣れ親しんだシステムを変えた場合に不満の声を集めるのはそう難しいことではなく、

>郵政民営化の本当の評価が下るのはもうすこし先のことだと考えています

不便不都合だけを論い、良いことや裏事情(アメリカの関与)は過小評価する。
あげく、全てを悪とし国営化に戻すようなことになればメチャクチャになります。
政権を獲得(維持するため)ため、既得権と搾取のためには何でもやりそうで怖いです。
そのツケは子孫までもが払わねばなりません。

正当な評価は、あくまでも、制度改革が進んでいくことが前提です。
歪に国営化に戻すなどして、メチャクチャになった場合、
その責任さえも制度改革に着手したことに求めれば、
正当な評価がされるチャンスは失われる気がしてなりません。
大東亜戦争という大事ですら、戦後64年経っても評価されていず、悪評価に固定されようとしているのですから…

>問題はそんなでベルの話ではなく、今後どうすべきかではないのか?と感じ続けています。

はい。そう感じてます。
その論議が無い(元に戻すなどという暴論は論外)ことについては、後期高齢者医療制度についても感じています。
政府が果たす説明責任も重要ですが、国民が果たすべき責任を放棄しているとしか思えません。
マスコミや識者に求めては道を誤まります。
国民は、税金を納める義務だけでなく、その税金の行方までも責任を負うべきだと思います。
よって、報告書を読むことは最低限の務めであり、手軽な情報に踊らされることを恥じなければならないと思います。
閉塞感の鬱憤晴らしでマスコミを利用することは、マスコミに利用される愚を犯すことになります。

>野党には当事者意識が薄いと常々感じています。

国民に当事者意識が薄いからかも知れませんね。
by 元気 (2009-08-26 10:44) 

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