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女系継承? (WiLL5月号、p202) [読書]

私は、小林氏の著作の愛読者であり、氏の精力的な活動を素晴らしいと思っています。
けれど、間違いは間違いです。

氏の影響力の強さは、諸刃の剣ともなります。
自ら調べ検証する読者ばかりならば良いのですが、鵜呑みにする読者が大勢いると思うからです。
間違った論理の展開を信じる読者に、誤った結論を導くようなことはしてはいけません。
それは、氏が、昭和天皇、今上天皇をどんなに敬愛していても… です。

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結論を申し上げます。
氏の記述、「男系絶対は崩れている」 は、誤りです。

「男系絶対は崩れていません」

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第34代 舒明天皇 (天地、天智天皇と天武天皇の父)
第35代 皇極天皇 (舒明天皇崩御後、皇位継承争い回避のため先帝の皇后を擁立)女性天皇
第36代 孝徳天皇 
第37代 斉名天皇 女性天皇
第38代 天智天皇 (中大兄。父:舒明天皇、母:斉明天皇)

皇統は、万世一系が保たれています。男系絶対は崩れている。は、誤りです。
母が天皇になった場合でも、子の父は天皇ですから男子継承は保たれています。
女性天皇が天皇以外との間に子をなし、継承させたこと(女系天皇)はありません。

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「父が天皇である」 ということは、こじつけではありません。
皇統が続いているということであり、男子継承がなされているということです。
小林氏の考え(今上天皇の子孫を重く考える)こそ、こじつけであるように思います。
なぜなら、皇統は、そのような継承のされ方をしていないからです。

ちなみに、元明天皇と元正天皇についてもそうです。
(第42代 文武の皇子(第45代聖武天皇)が若すぎたためツナギの天皇)

女性天皇はいましたが、女系天皇はいなかったのですから、女系の継承も男系の断絶も無かったのです。

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                                     (系譜は、この本から)

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女系を認めるかどうか。

それより先に議論・検討すべきことがあるはずです。
(まさしく、日本国憲法に対する議論・検討です)
先に女系を認める流れでは、皇室典範改正も改悪される(皇統が途切れること)になりかねません。
皇統は、才能や能力で継承されてきたのではないことを重く捉えるべきだと思います。
なぜ、長く(今年は皇紀2670年)続いたのか、そのことを重く捉えるべきであると思います。
権威とは何なのか。
それは、世界にも希な今も続く皇統を有した国であるということそのものだからです。
(実力や才能では永くは続かないことは、世界を見渡せば明らかです)

ちなみに、 「シナ宗族制度」 とは…
なぜ、それが、皇紀以来今も続くという皇室の皇統や万世一系と関わるのか…
似て非なるシナ宗族制度を持ち出す小林氏の意図が私には理解出来ません。
小林氏が日本の国体を理解しているのか、疑問です。

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なぜ、万世一系、男子孫の継承に拘るのか。
それは、「大日本帝国憲法」 に明記されているからです。
「日本国憲法」 は、占領下、東京裁判中にマッカサー草案に基いて起草された憲法です。
条約憲法として有効でも、日本の憲法としては疑問があります。
日本国憲法では、他にも独立国として疑問があります。
占領憲法、奴隷憲法と言われるのは、国民の義務として三つしかないからです。
(勤勉、勤労、納税)
それでは、独立国としては成り立ちません。

交戦権を持たない外交は他国の善意にすがるしか出来ないからです。
それでは、国民の命と財産を守ることは出来ません。
それは、占領下では必要なくても、独立国としては必要不可欠な権利だからです。

日本国憲法を改正し、より支離滅裂(改悪)になるくらいなら、改正しない方がマシです。
国会で、日本の憲法として無効。講和条約憲法として有効と無効確認を決議(半数で可決)すれば良いのです。
無効確認後、時間を掛けて大日本帝国憲法を現代に則するように改正すれば済むことです。
その間、大日本帝国憲法に反しない範囲で、日本国憲法を適用すれば混乱も起きません。
憲法を無くしてしまうのではありません。
誤解に基く思い込み(憲法がなくなれば混乱する)を排除し正しく知れば、正統な手段であると理解出来るはずです。さらには、戦前の歴史にたいする認識も間違っていることが分かるはずです。
間違った歴史認識が日本を迷路に追い込んでいるのだと思います。

ご参考:「現行憲法無効宣言問答集」

大日本帝国憲法
第一章天皇
第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
第2条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承


日本国憲法と皇室典範の無効確認決議をすれば、GHQによって皇籍離脱させられた宮家は、復活させることが出来ます。これで、皇位継承問題も解決するはずです。
それをさせないために、小林氏が、女系天皇を推進しているとしたら…
問題の根は、想像以上に深い気がします。
 
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かなめいし

素晴らしい!

まったく同意見です。
チャンネル桜の水島社長が小林氏の女系天皇肯定説には「バックに何かがありそうだ」と話しておりました。またWill誌上で「チャンネル桜」を誹謗していることについてもいただけません。

憲法についても同意見です。
だいたい「日本国憲法」を憲法と言っている憲法学者の脳みそは膿んでいますね。『大日本帝国憲法』を完全に無視しています。「日本国憲法」を憲法というのであれば
『大日本帝国憲法』に基づいて制定しなければならないはずです。それが法治国家でしょう。
by かなめいし (2010-03-29 10:08) 

yukikaze

小林氏は物言いが過激な割に、どうも知識不足なところが多々あるのが気がかりです。今回も、明らかに勉強不足です。
憲法に関しては、とりあえず、「大日本国帝国憲法」に戻し、「日本国憲法」を無効化することから始めるべきだと思います。そして、その後、「大日本国帝国憲法」の現状に合わない部分を改正していくことが正しい方法だと思います。押し付け憲法を廃棄し、自主憲法をという主張もあるようですが、やはり、一度元に戻すことから始めるべきだと思います。
by yukikaze (2010-03-29 15:20) 

元気

かなめいしさん、こんばんは。

チャンネル桜の水島社長、けちょんけちょんに貶してますね。
貶し方も常軌を逸しているように思います。
どうも、思い込みの激しい方のようです。
天皇様の前では乙女のように、水島氏に対しては悪餓鬼のように… みたいです。
大人げない方です。

憲法について、同意見とは、飛び上がるほど嬉しいです。
by 元気 (2010-03-31 22:16) 

元気

yukikazeさん、こんばんは。

>押し付け憲法を廃棄し、自主憲法をという主張もあるようですが、やはり、一度元に戻すことから始めるべきだと思います。

おお!
あまりに嬉しくて、感動しています。(T_T)
一人、また一人と…
真っ当な見方が出来る人が増えて来れば、日本は間違いなく良い方向に向かいます。

日本を諦めるわけにはいかないからです。

by 元気 (2010-03-31 22:19) 

かなめいし

憲法に関しては、南出喜久治弁護士の主張が正論だと考えております。

また、男系のみの皇統は生物学的にも正しいものです。

男子の遺伝子は XY
女子の遺伝子は XX
X遺伝子は混じってしまって誰のX遺伝子か分からない
Y遺伝子は男子のみが受け継げるのですから と

確か数年前に女性生物学者が産経新聞に寄稿していました。

世界で唯一日本しかない2670年も受け継がれた皇統はこうあるべきです。
by かなめいし (2010-04-01 17:31) 

元気

かなめいしさん、こんばんは。

やはり、というか、当然でしょうが…
南出氏をご存知なのですね。我が意を得たりです。(^^)v

さて、染色体は…
私も、そう考えていた時期がありましたが、
その説は、あまりよろしくないようです。
染色体自体が未解明であり、それは、性染色体についても同様だからです。
(突き詰めるとヤヤコシイことになって論で首を絞めかねません)

ご参考。ぜひ、ご一読下さい。m(__)m
「DNA論で皇統を語ることの危険性」
http://kokutaigoji.com/reports/rp_h180805.html

「科学に弱い保守論壇のDNA皇統論」
http://kokutaigoji.com/reports/rp_iwa_h180926.html

「日本人の起源」
http://www.geocities.jp/ikoh12/index.html


by 元気 (2010-04-01 20:02) 

花うさぎ

素晴らしいエントリー、ありがとうございます。

小林よしのりは何故、天皇論をここまで引っ張るのかと思っていたら、昭和天皇の発刊が控えていたのですね、これで判りました(^^;。

戦争論以降、実に良くやってくれていた人ですが、この女系天皇で決定的なミスをしてしまいました。それも「消極的容認」ではなくて「積極的女系論」では理解は得られないでしょう。

もっと分かりやすく云えば悠仁親王ではなく愛子様って、普通は受け入れられないと思いますよ。
by 花うさぎ (2010-04-02 08:48) 

元気

おはようございます。

小林氏、なんだか憑き物がついたような…
といえば、それも間違いです。
氏は、「ごーまんかましてよかですか?」 がトレードマークなのですから。
それに、身勝手なファン心理が加わった。
それが、暴走を惹き起こしているのだと思います。
恋は盲目といいます。見えていないのかも知れません。
恋闕ほどの覚悟の自覚もなく、皇室を日本を窮地に陥れることは慎むべきであると思います。

『昭和天皇論』p49で、マッカーサーや側近の絶対的な自信を書いていますが、小林氏も同じです。
同じ愚を、ゴーマンで誤魔化しているように感じました。

たくさんのページを費やして描かれた功績は素晴らしいと思います。
けれど、間違った解釈から導かれる答えは、やはり間違いです。
氏が本を通じて伝えたかった答えは、最終ページの一言でしょう。
「立憲君主でなく、天皇親政だったら」
「日本の戦争はあのような経緯を辿らず、結果も違っていたのかも痴れない」

このような結論は間違いです。
歴史に if はありません。
けれど、天皇親政なら、日本国は滅びていたでしょう。

戦争責任は、軍にあるのでもありません。
戦争は、外交手段の一つだからです。
天皇も出席して重要な国策を決めた会議(御前会議)での決定です。
さらには、(有色人種の蔑視と植民地の永続のため)最初の一発を撃たせた国との戦争です。
情報戦では、日本は、今も劣勢であるといわざるをえないと思います。

それにしても、シナの宗族制度って…
何を血迷っているのか…

「宗族制度」ウィキペディア(Wikipedia)
父系同族集団のこと。古代東アジア法とローマ法に存在した。
土地を集積して地主として成長した豪族は集積した資産の散逸を防ごうとしたこともあって同族間の結合が強く、漢・六朝の豪族勢力は、郷里における累代同居の形をとった。
宗族という言葉や理念は儒教体制が浸透した朝鮮半島やベトナムにも伝わって、定着している。
逆に日本では氏姓社会が比較的維持されたまま、儒教体制を取り入れたために宗族制は形成されずに中国や朝鮮半島とは異なる儒教観・家族観が形成されることとなる。

日本では宗族制は形成されずに到っています。
もともと、天皇様は祭祀王であられますし、権力者とは違います。
権威者としてあられたから、損なわれることなく今もあられるのです。
だからこそ、GHQも誰も裁くことが出来なかった。
どからこそ、裁きたい共産党は戦争責任を今も問うのです。
万が一、皇室典範が改正され、憲法も改正されて、天皇親政となれば、日本は滅びます。
それでは、小林氏の言葉はオウンゴールとなってしまいます。

『昭和天皇論』 では、GHQによる”憲法改正”示唆の記述はあるものの、日本国憲法自体への言及、布石もありませんでした。
それでは、ますます(氏の著作を読んだ)日本の若者は間違った方向に向かわざるをえません。
間違った方向とは、皇室典範の改正であり、日本国憲法の改正です。
改正とは名ばかりの改悪です。
残念ながら、現体制では、改正ではなく、間違いなく改悪となることでしょう。




by 元気 (2010-04-02 11:08) 

元気

花うさぎさん。

>悠仁親王ではなく愛子様って、普通は受け入れられないと思いますよ。

侮って油断してはならないと思います。
日本人大衆の意思とは関係なく、国会議員の過半数を掌握すれば合法行為として可能にすることも出来るからです。

政治主導で日本は動きます。
政治を動かす国民を動かすのはマスメディアです。
マスメディアを動かしているのは… マネー&ハニーを放つ中国でしょう。
日本が保有する国力の全てを支配下に置くため、
実質的な日本自治区(日本解放)のためには、どんな手段も辞さないでしょう。
アメリカが中国に妥協し、それを日本が推進すれば叶います。

日本国内からのアメリカ軍の撤退。
民主党による一党独裁。
外国人参政権の付与。

日本は一度(?)終了します。
そして、皇室典範や日本国憲法が改正され、皇統も維持できない(その必要を認めない)となれば、日本は、永遠に終了します。
一つの国の伝統や文化、誇り、アイデンティティが崩壊します。
もう、二度と歯向かえないように、牙だけでなく、足かせ手かせだけでなく、心さえも隷属化するしか生き残る道は残されなくなると思います。

少々(?)悲観的な経緯を書きました。
けれど、心せねばなりませんね。

終戦の詔勅より、

今後帝國の受くへき苦難は固より尋常にあらす
道義を篤くし志操を鞏(かた)くし誓て國體の精華を発揚し世界の進運に後れさらむことを期すへし

取り戻さねばなりません。
歴史と誇りと道義を。



by 元気 (2010-04-02 11:31) 

元気

『昭和天皇論』 p320 電車内での会話。

昭和って 「反体制」 が文化を作り、推進していたような気がしてたが違ったな。

昭和のサブカルチャーというか、若者文化は、ロックや漫画や演劇や映画まで反体制っぽかったですよね。

平成になって政治家からマスコミから教育まで、
その 「反体制」 が天下をとってしまったが、
占領憲法を聖典化する戦後民主主義という 「体制」 の完成だった。

じゃ、反体制を気取っていても、実は戦後体制を固めていたわけですか?

そういうこと。

反体制って、団魂の世代が主流の文化ですよね?

団魂の世代の政治への関心って、マルクス主義とか革命とか、革新とか、左翼的な視線でしか見ない政治への関心でしょ。

   ---------------------------------------

戦後民主主義という体制の究極の形が現政権です。
今の日本の閉塞感が絶望感に変わらないようにせねばなりません。
アメリカは、知らずに日本の赤化に手を貸すことになりました。
けれど、アメリカの赤化も侵攻しているのかも知れません。
ならば、アメリカが自国を守るために、日本(の実質的な自治権を)を中国に渡す気がしています。

占領憲法に、もう少し踏み込んで欲しかったです。


by 元気 (2010-04-02 11:53) 

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