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『ダークナイト』 [映画]

先行上映で観て来ました。
ダークナイトとは、暗黒の(ダーク)騎士(ナイト)という意味です。
汚れたという意味もあります。
日の当たる道を歩くヒーローではなく、暗闇で動く正義の味方とでもいいましょうか…
(皆が恐怖心を抱く、こうもりだし…)
なんだか、報われることのない、苦悩するヒーローの映画でした。

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ロードショーの前日(8/8)には、『バットマンビギンズ』 がテレビで放映されていました。
これは、2005年の作品なので、約3年前だったわけです。
もう、すっかり忘れていたシーンが一杯有ったのですが、テレビを観て、
最新作を思い出し、色々と感慨深かったです。
それでは、まずは、前作、『バットマンビギンズ』 の大切なキーワードを。

  大切なものを守るために戦う。
  なぜ人は落ちるのか。どん底から這い上がるためだ。

ふ~ん。なぁるほどぉ。でしょ!?
で、『ダークナイト』 にも繋がっていく大切な言葉が出て来ます。
それは、レイチェルが言った言葉です。

  私の愛した彼は、確かにあなたの中にいるのだけれど、今は見えない。
  ゴッサムが彼を必要としなくなったら… 彼は帰って来る。

意味深でしょ。
さて、映画ではどうなるのか…
それは、ネタバレになるので、ここでは慎むことといたしましょう。
(続きを読むの中で書くことといたしましょう)

その前に…
ジョーカー役の役者さん、ヒース・レジャーが、今年(2008年)1月22日に亡くなっています。

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http://www.varietyjapan.com/news/showbiz/u3eqp3000002qci8.html

ニューヨークの自宅で遺体で発見された俳優のヒース・レジャーの死因が、2月6日、正式に発表された。
ニューヨーク市検視局の発表によると、レジャーの死亡原因は、複数の薬物摂取による急性中毒だったという。
レジャーは、鎮痛剤、精神安定剤、睡眠薬など、医者から処方された薬を6種類服用しており、それらの誤用による事故死と断定された。
この数年、アカデミー賞にノミネートされ、娘も生まれるなど、公私共に充実していただけに、28歳という早すぎる死が惜しまれる。

http://hollywoodcelebnews.blog51.fc2.com/blog-entry-1483.html

役にのめりこむタイプらしいヒースは、バットマン映画の冷酷非情なジョーカー役をやってから眠れなくなったと明かしていて、ボブ・ディラン映画の「I'm Not There」ではストレスが強かったとも語っているなど、このところヒースがプライベートや仕事上のストレスで不眠に悩まされていたことは確か。そして副作用の強いアンビエンをあまり効かないといって過剰に飲んだ事故だったという可能性が高そう。

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映画のエンディングで、ヒースに対する追悼文が出てきました。
バットマンさえ霞んでしまいそうなほどの鬼気迫る演技であっただけに… 残念でなりません。

それから、執事のアルフレッド訳のマイケル・ケイン。
本当に最高の役者さんです。(大好きです!)
前作同様、抑えた良い演技をされていました。
バットマンが存在するのは、アルフレッドという存在が有ったればこそですね!
いくつになっても大切なお坊ちゃまのヒーロごっこに付き合わされる執事。
執事あったればこそのバットマン。お坊ちゃま有ったればこその執事。
ゆるぎない信頼関係は、実の父親以上… かも知れません。
(両親は幼いときに亡くなってるもんで、ね)
最高のコンビだと思います。

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以下、ネタバレ注意!!

レイチェル・ドーズが大人の女性(検事補)を演じていました。
『バットマンビギンズ』 では、やたら正義感の強い無鉄砲な女性でしたが、
『ダークナイト』 では、愛に苦悩する役を演じていました。
2人の男性の間で揺れる役というか、でも、本当は揺れてなどいなくて、結論は出てたのですよね。
バットマンの仮面を脱げない複雑な男であるブルースより、
明快な地方検事ハービー・デントを選んでいたのです。
愛するのはハービー・デント。共に人生を歩むのは、ハービー・デントというワケです。
ブルース(バットマン)は、幼馴染。大切な友人。という結論です。
レイチェルも適齢期の女性です。
落ち着く道を選んだということのようです。
ヒーローに対するヒロインがヒーロを選ばないというのは… とっても以外でしたが。
アルフレッドが、ブルースに対して配慮します。
そのこと(愛するのはハービーで、ブルースは大切なオトモダチ)を書いた手紙をお坊ちゃま(ブルース)に見せないんですよね。
見せないことが良いことなのかどうか… それは、置いとくとして、(置いとかなくてもいいか)
もう、本当に、お坊ちゃまが大切なのだと… 分かるシーンなのでした。

愛する人を殺されたら…
復讐の鬼となるのか、復讐などと考えず、万人のためのヒーローでいるのか…
(ヒーローは、人殺しではないですからね)
そういう意味では、ハービーは、ヒーローになれなかった男です。
『バットマンビギンズ』 でもそうでしたが、復讐の鬼となれない男がブルースなんです。
なぜか。それは、ヒーローをやってるからです。
懲らしめるけれども、殺すことが出来ない哀しきヒーローです。
人を利用し、貶め、殺すことが平気なジョーカーさえ殺すことが出来ないのです。

ジョーカーは、ある意味死に場所を探しているようでした。
愛する妻には疎まれ、自分の存在価値を否定され、世間に対して復讐を誓った男です。
人は利用するものであること。
人は裏切るものであること。
今を楽しむことだけで生きていること。
人を操り貶め、嘲笑う。ジョーカーの呼吸が悲鳴に聞こえたのは私だけでしょうか?
呼吸が苦しそうで、生きることが苦痛なのだと… そんな風に思いました。

ジョーカー、ハービー・デント、ブルース・ウェイン。
この3人は、本当に面白いです。対比すると興味深いことが分かって来ます。
先にジョーカーを紹介しましたが、ハービー・デントも紹介しておきましょう。

ハービーは、正義の人です。
人間なのに、人を裁こうとします。だからlこそ、正義の人なんです。
完全無欠に思えたハービーなのですが、それは究極の困難に遭ってなかったからなんです。
対象喪失です。大切な人を失ったときに、人は、自分の本性が露わになるのかもしれませんね。
ハービーは、レイチェルを失うことで、失う前の生活に裏切られたのです。
だから、トゥー・フェーイスとなるのです。
失う前と失ってからのように、明暗に判決を下すのです。
そして、思い道理のコインの絵が出なかったら… やり直しです。
だから、コインで占っているようで… 
実は、都合の良いように判決する人になったのです。

ブルースはお坊ちゃまのダークヒーローです。
正義に燃えて、失うものなど何も無いと考えています。
実際には、失えないものは有ったのです。
それこそが、レイチェルだったのですが…
執事によって、(ハービーへの愛の)証拠の手紙は燃やされてしまいます。
知らなかったからこそ、ヒーローが続けられたのです。よね。きっと。違うかな。ごめんなさい。

そして、全く立場が違う3人が揃い、話の展開が分かり易くなると…
3色のハーモニーのように奏で始めるわけです。
この3人は、何が違ってこうなってしまったのか…
とっても面白い(かもしれません)。
それこそが、この映画を観る醍醐味だと… 私は、思います。

最後に、ゴードン刑事さん。
ジョーカーの大量殺人の罪は大きいのだから、
今さら、3人の殺害を云々されて押し付けられても… 困ります。
いくらダークヒーローだって、濡れ衣を着せないで欲しいです。(プンプン!)
ジョーカーが、あと3人も殺したとしたら良いじゃないですか。
それくらいの頭さえ回らないなら… 優秀な刑事じゃないですよね。
ゴッサム・シティーに平和が訪れる日が… 遠いワケです。
ですから、だからこそ、「バットマン」 でなく、「ダークナイト」 なわけで、
汚れた(汚された?)騎士(人々を守る人?)になるんですよね。
うまく作っているというか… まさしく、ダークです。
元気個人としては、もう、明るく元気が限りなく好きなんですが…
どん底から這い上がるためには、ダークは必須なのですよね。[もうやだ~(悲しい顔)]

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ヒース・レジャーは、役に食われてしまったのかも知れませんね。
まさに、心の闇が身体を支配するのかもしれない。です。
いえ、事故死でしたね。[ふらふら]

ご冥福をお祈りしたいと思います。(合掌)












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Yakoha

こんにちは。「ダークナイト」で検索しておじゃましました。
素敵なレビューですね・・・
映画は私も面白く観る事ができました。
続編が楽しみです。
by Yakoha (2008-09-03 00:19) 

元気

いらっしゃいませ。

面白かったですよね。
私も続編が楽しみです。
by 元気 (2008-09-04 22:23) 

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